怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

長坂秀佳と警視庁を煙に巻く男

  • 特捜最前線第227話「警視庁を煙に巻く男!」(脚本・長坂秀佳 監督・田中秀夫)を見て、あまりの面白さにふらふらとなる。


ストーリー
特命課に脅迫電話がかかってきた。要求は3000万。都内のどこかに爆弾を仕掛けたという。逆探知は成功、特命課は歌舞伎町の電話ボックスに向かう。
だが、脅迫者は心臓の発作を起こし、電話ボックス内で死亡。爆弾の真偽は不明となる。死んだ男は大杉ゲンジ。工事現場をクビになったばかりで、友人もほとんどいない。やはり「爆弾」は嘘だったのか。
大杉の遺品の中より、爆弾の配線図が見つかる。さらに、ダイナマイト10本の盗難情報も。大杉は本当に爆弾を作り、どこかに仕掛けたのだ。
紅林刑事は、大杉が心を許していた唯一の男、日置平三の存在をつきとめる。彼は窃盗の疑いで所轄に逮捕され、その後虫垂炎に。現在は病院に入院中である。紅林は日置を訪ねるが、何も答えようとはしない。
爆破の時刻は迫る。そんな中、日置が病院から逃亡。紅林は日置の内縁の妻、水沢ケイ子の許へ。逮捕歴のある日置だが、出所後は真面目に働いていた。だが、窃盗の疑いをかけられ、本人が否定するなか再び逮捕。すっかりヘソを曲げた日置は、何も喋ろうとしないのだ。紅林は確信する。日置は爆弾の在り処を知っている。
日置を拘束した特命課は、彼の尋問を始める。船村との対決。だが、それでも日置は喋らない。
やがて、荒川で小規模な爆発が。これは、大杉の「実験」なのか。
迫る爆破時刻。船村ですら匙を投げた日置の口を、紅林は開くことができるのか。

  • 第129話「非情の街・ピエロと呼ばれた男」から二年後に製作された本作。テーマは爆弾。主役は紅林。ゲスト俳優は魁三太郎。いやはや、もう言うことはありません。
  • 冒頭で脅迫電話をかけるのは、木田三千雄。いかな彼の超能力をもってしても、明日は捜せなかったようである。それにしても、怪しいチャイナ帽をかぶっているのは、まさか安井のなれのはて?
  • 爆弾を仕掛けた犯人が死んでしまうというパターンの傑作は「あぶない刑事」にもある。あれも、似たような形で爆発する仕掛けだったけど。
  • 本当は正しい紅林のやり方が土壇場まで否定されているのが、うまい。あくまで日置対船村を見せておいて、紅林は外堀を埋めていく展開。そして何より、所轄の悪役刑事たちのポジションがベスト。中に一人「キカイダー」がいたことは内緒。お、おまえは、課長の娘を……!
  • 後半は恒例、子供と廃車場が絡んでくる。紅林と日置が似た場所を傷めるのは、脚本段階で決まっていたのか、ただの偶然か、確信犯の演出か。
  • ひさしぶりに見た「爆弾の長坂」。特命課全員の尋問シーンがあるのは、この会だけか(高杉婦警を除く)。とにかく圧巻で素晴らしかった。
  • 次回は、いよいよ、いよいよ、あの作品です。はたして、放送されるのか。はたして、はたして。