怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

銭形警部

  • 「銭形警部」シリーズは、WOWOW版だけしか見ていないため、それだけで判断するのもどうかと思うけれど、何というか、我が愛しの銭形が見事に現実化していて、感動した。これは、とにもかくにも主演俳優の素晴らしさに尽きる。
  • 実のところ、WOWOW版第一話の酷さに唖然とし、ハニートラップの某国産業スパイで、ストーカーかよ、「コールドケース」のあのクオリティはどこにいったのよ、と目の前が暗くなった。とにかく、そろそろミステリードラマで「ストーカー」は禁じ手として欲しい。「殺す気はなかったんです!」や「凶器としての歩道橋」がよく取り上げられているが、私はミスディレクションで使われる「ストーカー」に食傷している。
  • ただ、第二話からは打って変わった素晴らしさ。話のきつさ、銃を持った敵に丸腰で立ち向かい、銃撃されても身をかがめて避け、しかもちゃんと当たらない! という悲しさ。国際的に暗躍する大物の部下が二人とか三人、広い廃工場内で、武装した警官隊が五メートルの距離に近づくまで気がつかないとか、もう言いたいことはエベレストほどあるけれど、結局、銭形の背負い投げと主演俳優の演技の前にすべてチャラとなり、目頭まで熱くなってしまった。
  • 三話はいわゆる飛行機もの。飛行機の機内で事件発生。たまたま乗り合わせていた主人公が、機内にある限られた物品を使い捜査をし、着陸までに事件を解決するーーというもの。CSIやモンクなど、海外ミステリードラマでは大抵一度は出てくるパターンである。和製ドラマではあまり見かけたことがないこのジャンルに、かかんに挑む。その姿勢良し! そして、内容も良し! 犯人の意外性がほぼ皆無という問題点はあるけれど、主人公を機内からださず、きっちり「飛行機もの」として仕上げた手腕に拍手。本当に楽しかった。
  • 最終話は、70年代の刑事ものを彷彿とさせる、家族と情の速球。そこにヤスケンが出てる時点で反則だ。ベタだけど傑作。銭形ってこういう人間なんだろうなと、誰もが思う銭形像を上手いバランスで表現している。ラスト、ヤスケンがある事実を女性に告白するのだが、そこの涙涙の演技合戦を山場に持ってきたことには疑問を覚える……というかそれが当たり前で、私の好みがずれているだけなのだが。彼の告白内容を視聴者は、事前に銭形との会話で知っている。そこをもう一度、芝居たっぷりに見せられても、あまりうれしくはない。「話があるんだ」ですぱっと切ってしまい、次のシーンで、彼らが幸せな日常を送るシーンを見せ、それを遠くから銭形が見ていれば、セリフなしで終わる。海外ドラマの見過ぎだろうか。
  • WOWOWでは、まもなく全話の放送が始まるとか。楽しみ。