- CSで再放送中の相棒。「相棒」の「長坂秀佳」である「櫻井武晴」作品をピックアップして見て行く。シーズン2突入。
シーズン2 第3話
「ヤリイカのエテュベ野菜のアスピック詰め」をなぜ、亀山は不味いと言ったのか。
「オーベルジュ・ド・コーズカ」で建設会社勤務の大曲光吉が殺害される。凶器は先の尖った特殊な刃物と思われた。
「オーベルジュ・ド・コーズカ」は世界的グルメガイド「エトワール」で日本唯一の三つ星を獲得しており、半年先まで予約で埋まっている一流の店。事件発生時、外は大雨、さらに途中の一本道が土砂崩れで塞がれ、翌朝まで人の往来ができなくなっていた。
店に居あわせた杉下と亀山は捜査を開始する。
被害者の大曲は華道黛流の次期家元候補の一人であった。黛流は全国に会員が四万人、家元ともなれば、莫大な利権を手にする事ができる。大曲は死亡した先代家元の弟であり、世襲に拘る事務局長、岸田隊員こと沼功が強力に推していた。一方、黛流東京本部筆頭師範の風間ゆり子、先代家元の愛人の子供である滝沢恵美は自ら家元に立候補。後継者争いは紛糾していた。大曲が家元を継ぐ気があるのかどうかは判らず、それぞれに殺害動機は持っていたことになる。食事中、大曲、風間、沼、滝沢の順で中座。そのまま大曲は戻ってこなかった。殺したのは三人のうちの誰かなのかーー。
櫻井武晴初期の伝説的名編。とにかく凶器ばかりが話題に上りがちだけれど、一番に挙げるべきは、動機隠蔽の見事さだろう。しっかりと伏線を見せつつ、「嵐の中の山荘(レストラン)」を巧みに演出、華道の家元争いという「二時間サスペンス」的な香りをふりまき、終盤のひっくり返しに持って行く。
正直、凶器そのものには察しがつくし、ゆえに犯人の見当もつく。ただ、動機が判らないのよ。ちょっと考えれば判るように作られているのだけれど、初見時、判らなかった。結局、何となく察しがつく「意外な凶器」すらも見せ餌だったのかなとあらためて驚嘆した次第。
これは意外な凶器のミステリーではなく意外な動機のミステリーなのだと考えている。
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