年末年始はまったく本が読めず、昨年買った貴志祐介著「ミステリークロック」をようやく読み始める。
テレビ化もされた防犯探偵シリーズは大好き。練りに練られたネタと、珠玉のトリック。当然、多作のきくものではなく、数年に一度の楽しみとなっているのがまたいい。
「狐火の家」収録の「黒い牙」は生きもの係発想の出発点ともなったもので、圧巻のトリックと生理的な気持ち悪さが見事に同居している傑作。○○を使ったミステリーでこれを越えるものはそうそう作れるはずはなく、「生きもの係」シリーズが今後続くとしても、「○○を愛した容疑者」はないのである。実際、リクエストもあったのだけれども、「黒い牙がありますので」とお断りしている。
さあ読むぞと勢いをつけた途端、持病とも言うべき胃痛で倒れた。きついわぁ。何も食べられず、13時間こんこんと眠ったが、まだ本調子ではなく、お粥生活である。今年は引きこもり的生活から脱却しようと思っていたが、体力がついていかない。年はとりたくないものだ。
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/09/23
- メディア: 文庫
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