- 引っ越しはつづく。地獄。
- 自力でのパッキングを諦め、引っ越し屋さんに依頼。
- 本日はパッキング日。これでも私、今までに都合、十回以上引っ越しをしてきた、そこそこの手練れである。さあて、プロのお手並みを拝見しよう、フフフと思っていたら、予定時刻九時きっかりにやってきたのは、一見しただけで百戦錬磨と判るおばちゃんたち六人であった。
「あら、資材がぜんぜんないわぁ」
「ちょっと電話!」
「五分で持ってくるそうよ」
「じゃあ、ちょっと着替えさせてもらうわね」
- おばちゃんたち、怖すぎ。 全部屋同時に行うため、私は居場所がない。おばちゃんたちの邪魔にならないよう、脱衣所の隅で丸くなっていた。
- おばちゃんたちは、昼休憩も含め、三時間ほどで、仏壇の位牌に至るまでをきっちり梱包し、砂嵐のように去っていった。 ああ、怖かった。
- しかし、いかなおばちゃんたちも、書斎に持って行く荷物の30箱が、サンダーバード秘密基地のキットだとは気がつくまいて。