- 連休などと言っても関係がない。さて……と思って気がついた。今日は鈴々舎馬桜師匠の独演会の日ではないか。間抜けなことに、3日から5日までと勘違いをしていた。開演は15時半。14時半に家を飛び出す。
- 本日の演目は「三味線栗毛」と「柳田角之進」。共に初めて聴く噺である。それもそのはず、寄席などで滅多にかからない噺をあえて選ばれたのだそうだ。
- 開演前にホワイトボードと師匠が登場。噺の時代背景などを解説してくださる。「士農工商」のことを頭にとめておいてと言われる。
- 「三味線栗毛」と「柳田角之進」とも、笑いの要素は少ない。元は講釈噺であったという。落語讀本などを見れば、「三味線栗毛を面白く聴けたことがない」など散々な言われよう。これでは演者が減るのも当たり前か。そこで問題となるのが、やはり「士農工商」への理解度だろう。事前の講議で師匠が言われていたように、士と商、あるいは士と商以下の者が身分という枠を越えて友情で結ばれる。それがいかに凄いことであったのか。ここを理解していれば、二つの噺の持つ味わいがじわりと染みてくる。良いものを聴かせていただきました。