- 夜、何気なくテレビをつけたら、「ミラーマン」が映しだされた。MXテレビで週に一度、放送しているらしい。本日は第4話「コバルト60の恐怖」であった。ミラーマンは総合で評価すれば、せいぜい中の下程度だが、初期12話までは恐ろしくレベルが高い。後期円谷特撮的な怪奇と幻想に満ち満ちていながら、地味で硬質な画面作り。乱造状態にあった怪獣から一歩、はずしたデザイン。第4話は「コバルト60」を盗み出した侵略者を、何も知らない地球人のカップルが車で轢いてしまうという、これまたストライクからボール半分はずした絶妙の変化球。人間をひき殺したと思いこみ逃走するカップルと、二人が持ち去ったコバルト60入りのケースを狙う侵略者と、植物園爆破事件とコバルト60盗難の謎を追う防衛組織の動きが並行して描かれる。「ファンタスティックコレクション 華麗なる円谷特撮の世界」(朝日ソノラマ刊)で酒井敏夫氏が最後に書いているがごとく、「後半になればなるほど特撮の演出力、そして合成の魅力のみが目立つようになる。これは設定のグラつき、それを支えきれなかった脚本に問題があるだろう」。何とももったいない作品だった。
- 夕方、富士薬品の人が、置き薬の入れ替えに来てくれた。玄関先にわんさとあるザクのプラモデルを見ながら、雑談をする。
「今月はゲルググも出るんですよ」
「へぇ。すると、来月あたりはギャンですかね」
「ギャンはもう出てますよ」
「へぇ、すると次はアッガイっすかね」
「アッガイももう出てます」
「へぇ……」
「もうすぐゾックも出ます」
「……」
- 時代は思ったほど進んでないのである。