- 鈴々舎馬桜師匠の独演会に行く。毎年恒例の年末独演会は池袋演芸場が定番だが、今年は改装ということで使用不能に。そこで、銀座山の楽器七階に場所を移しての開催となった。行ってみれば、満員札止めの状態。銀座と落語は、いよいよ相性がよくなってきたらしい。
- 演目は「大工調べ」と「文七元結」。「大工調べ」は大家に激怒した棟梁のタンカが聞き所。時間の都合で前半までだったのが残念。しかし、何度も聞いた噺だというのに、後半が全然、思い出せない。困ったものだ。「文七元結」はじっくりと堪能させていただいた。苦しいまでに説明の繰り返しが多い噺なのだけれど、そこは話芸でどうにでもなるわけだ。ちゃんとした人が演じれば。晦日というと「芝浜」だけれど、「文七元結」もいい。しかし、考えてみれば、「来年の大晦日まで」というもの凄いドラマの可能性を投げておいて、実は一晩で解決しているという……その大胆さがとても好き。「芝浜」と違って、この棟梁、改心はするけれど、実際には働かないまま、解決してしまう。この後、どうしたんだろう。そりゃあ、娘夫婦のために、仕事復帰したんだろうなぁ。