怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

スティーブン・セガール「沈黙の標的」

Muho2007-03-31

  • ずいぶん前に買ったスティーブン・セガール「沈黙の標的」を見る。この映画、良く言う人がいないのだが、すべてはパッケージにタイトル以上にでかでかと記された「無敵」の二文字がすべてを証明していた。

 

 

 

 

 

 

麻薬市場の掌握を目指し、中国人組織を統合、「ユナイテッド・トン」を作ろうとするチャイニーズマフィア。
考古学者のロバート・バーンズ教授(注・スティーブン・セガール)は、中国・カザフスタン国境で遺跡の発掘中、麻薬密輸の現場を目撃してしまう。助手を殺され、組織の一員として中国警察に逮捕された考古学者のバーンズ教授(注・スティーブン・セガール)。マフィアを追う香港、アメリカの麻薬取締局は彼を囮として利用するため釈放する。考古学者のバーンズ教授(注・スティーブン・セガール)の命を狙うマフィアの殺し屋たち。魔手は考古学者のバーンズ教授(注・スティーブン・セガール)の妻にまで伸び、妻は爆殺されてしまう。すべてを失った考古学者のバーンズ教授(注・スティーブン・セガール)は、復讐にのりだす。考古学者のバーンズ教授(注・スティーブン・セガール)、かっては「亡霊」とあだ名される中国古美術専門の泥棒だったのだ!!!!!!! バーンズは、たった一人でチャイニーズマフィアに闘いを挑む。襲い来るとんでもない殺し屋たち。バーンズは復讐を遂げることができるのか? もちろんできるのだ。

  • 面白いかつまらないかと言われれば、徹底的につまらない。ジュン・ウーとツイ・ハーグに捧げると豪語する監督のへんてこりんなスローモーション、「俺のアクションはオペラだ」と豪語する監督のへんてこりんな間合い。そして、これでもかと展開されるへんてこりんな謎解き。恐らく、この謎を理解できた人は、制作者も含め、誰もいないのだろう。当然、見ているこっちもまったく判らん。
  • 大暴れするセガールを後追いする形で、二人の捜査官が出てくるのだが、この存在もよく判らなかった。セガールが散々暴れ殺しまくった現場に少し遅れて到着し、「やれやれまた死体だ」とか言ってるだけだし。どうせなら、バーンズ大暴れだけでひっぱれば良かったのに。この二人が出てくると、まるで別の映画のようなノリになって緊迫感が切れてしまう。
  • で、セガール好きにとって満足できないかと言われれば、そんなことはない、充分に満足できる。少なくとも、私はひさしぶりに満腹感を味わった。実際は体が動かず、カット割りと相手役のやられっぷりだけで見せているアクションなのだけど、無鉄砲に強いセガール風合気道があちこちで炸裂。メローな展開でうんざりさせられた「一撃」とか「撃鉄」とは一線を画す。
  • セガールにひどい目に遭わされるマフィアの人たちには、大爆笑。最初10人いた顔役が一人ずつやられて、数が減っていく。三人くらいになって、「あの教授は問題だ。ぶっころせ。こんちくしょう」とわめいているシーンは、そこらへんのコントの数十倍おかしい。ラスボス一人になっても「あの野郎、この俺がたたき殺してやっからな!」と独りごちてるシーンは、正当派・悪の組織である。
  • 2007年もさっそくスティーブン・セガールの新作がDVDになっているらしい。ジャン・クロード・バンダムもドルフ・ラングレンも消えたけど、セガールは健在さ。