怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

ユリイカとイーストウッド

Muho2009-05-18

  • 「ユリイカ」がクリントイーストウッド特集だったので購入。この手の評論集は、制作者の裏側を読み解こうとして必死になり、得体の知れぬ読み物になってしまうことが多い。冒頭のインタビューとかそんな臭いがして、嫌な予感満々だったのだが、それぞれのイーストウッド愛に満ちた、何よりもきちんとした映画賛歌になっていたので感心した。特に、「混乱」という言葉を使っていたのは素敵だ。イーストウッドを監督として評価するのは簡単だけれども、では、役者として評価……となると、そこでもう「混乱」が生じる。イーストウッドの作品は清逸でありなから尖っていてブレがない。でも、混乱なしには語れないのも、またイーストウッド。
  • 北野武の映画とイーストウッドの作品は、どうしてあんなにも似ているんだろう?
  • 監督作品全レビューも爽快。特に「ルーキー」が良かった。「ルーキー」を基に、80年代の刑事映画を総括している。バカバカしくて薄っぺらいんだけど、私は好き。イーストウッド作品についていうなら、「ルーキー」「ピンクキャデラック」「ダーティーハリー5」のあたりを深く探求したい。