怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

途中からアニマックスになるプッシングデイジー

  • 傑作と聞いた「プッシングデイジー」第1シーズン全9話を録画。編集してダビングしようと思ったら、第3話がなぜか開始30分で「アニマックス」に切り替わっていた。「犬夜叉」風のアニメがざっくりと録画されていて、意気消沈。怒りのあまり、全話消去してしまった。怒りは治まらず、アマゾンでDVDを予約。後悔したが、もう遅い。それにしても、どうして第3話だけ、チャンネルが切り替わったのだろう。リモコンに触ってしまったのか? しかし最近、録画した番組の編集、ダビングが生活の負担になっている。毎日30分は、確実にその作業に費やしているもんなぁ。DVDを買うという方向に変えるべきなのか。ああ、「ヤングスーパーマン」の新シーズン、忘れてた。

 

 

  • 東京創元社から、「川に死体のある風景」が文庫になるとの連絡があり、私が書いた短編「捜索」のゲラを送られてきた。

  • 「川に死体のある風景」は「川と死体」をテーマに短編ミステリーを書けというお題つきのアンソロジー。綾辻さんや有栖川さん、歌野さんといったものすごい面子の中に、どういうわけか私が入れと指名された。どうしてなのか、未だに判らない。

  • 思いだすのは、大阪で行われた打ち合わせ。大阪駅近くにある高級中華料理店で行われた。当然、料理はやたらと美味しかった。その中の一品に「ふかひれ姿煮」というのがあった。スープの中にフカヒレがどーんと沈んでいるものだ。当時、私は腸閉塞を克服したばかり。胃腸は本調子ではなく、医師から「こんにゃく、キノコ類は控えろ」と命じられていた。フカヒレなんぞ見たことも聞いたこともなかった私は、スープに沈んでいるのが、大きな椎茸だと思いこんでしまった。「フカヒレの姿煮」というのはつまり、この出汁のきいたスープのことなのだろうと解釈し、スープをぺろりと飲みきり、椎茸の親玉をまるごと残した。ボーイさんが来て皿を下げようとしてぎょっと目をむいた。私の方を見て、「よろしいんですか?」ときく。「よろしいんです」と私は鷹揚にうなずいた。椎茸の親玉こそがフカヒレ本体であり、ひどく高価なものであることを知ったのは、ずいぶん後である。

  • フカヒレを堪能する千載一遇、唯一無二、最初で最後かもしれないチャンスを逃したトラウマよ。

  • そうしたモヤモヤもあって、収録作「捜索」は、「川に死体のある風景」であるくせに、山岳地帯を舞台に展開する。誰がどうみても、「山に死体のある風景」だ。

 

読書

「犬の力」(ドン・ウィンズロウ)読了。ギリギリで読み終わった。迷うことなし、本年のベスト1。