- 「なぜ時代劇は滅びるのか」(春日太一)、読了。時代劇に関して、胸の奥や頭の片隅にあるモヤモヤとしたものを、ずばり、言葉にしてくれた名著。「ここに書かれていることは、時代劇だけでなく、他のエンターテイメント、いや日本そのものにも当てはまる」なんて評をよく見るけど、いや、すぐそういう方向に価値を持っていこうとすることが、いろいろなものを滅ぼしているんじゃないの? と感じたり。とにかく、たかが時代劇、されど時代劇であり、愛ゆえの激怒、愛ゆえの悲しみに溢れている。時代劇論として素直に正面から、刊行を喜びたい。
- その一方で、NHK木曜時代劇「吉原裏同心」が実によくできていて心酔した。そして、次作の主演俳優があの人であることにも、ニヤリとした。