五輪反対デモの参加者へのインタビューのくだりで唐突に表れる「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」のテロップにものすごく違和感をおぼえるのだ。実際にはこのデモ参加者の男性が「お金をもらっている」と証言している映像(音声)はなく、上記のテロップが出たあとに
「デモは全部上の人がやるから。書いたやつを言ったあとに言うだけ」などと要領を得ない話が続く。この番組でデモ参加者として登場するインタビュイーはこの男性だけなので、「五輪反対デモの参加者はお金で動員された人々なのだ」という印象を視聴者に植えつけるつくりになっている。これは大問題。
「河瀨直美が見つめた東京五輪」遅ればせながら録画していたものを観る。この番組じたいは中間報告的な映画のメイキングで、河瀨作品のような作家性は感じられない。問題の箇所は、河瀨監督から「大会期間中の東京の人々にカメラを向けてほしい」と頼まれた島田角栄監督によるインタビュー部分。
— 佐野亨 Toru Sano (@torusano1124) 2021年12月31日