怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

2008ワンダーフェスティバル(夏)

  • ご心配いただいているようなので、とりあえずご報告だけ。ワンフェスには行き、犬のように走り回ってきましたが、事故には巻きこまれず、十数匹の怪獣たち共々、無事でおります。マスコミや会場でインタビューに答えていた輩のせいで、トップニュース扱いにまでなっていましたが、会場では報道されているほどのパニックにはなっておらず、それよりもただただ、エスカレーターが使えず、会場間の移動がままならず、欲しいものが買えないよぅという悲壮感が漂っていた……というのが感想です。報道と現場の温度差を実感した出来事でもありました。
  • 2008年夏ワンダーフェスティバルに行ってきた! 暑く人が多く、ただ座っているだけでジリジリと体力を搾り取られていく、いろいろな意味で地獄の会場だった。エスカレーターの事故、怪我をされた方には、心より同情する。しかし、怪我云々というより、怪我をしたため欲しいものが買えなかった精神的ショックの方がはるかに大きいのではなかろうか。責任者は怪我をされた方から「欲しいものリスト」を提出してもらい、それらをかき集めプレゼントする……のが一番の償いとなろう。欲望渦巻くイベントに高低差をさけた会場を使用するのは、そもそも無理があり、素人の警備、整理でそれらを押しとどめられると思っていた主催者側の甘さは糾弾されるべきと思うが、エスカレーターをすし詰めになって駆け上がろうとした人々を誰が責められよう。ワンフェスに一般常識は通用しない。次回ワンフェスの開催日が未定になってしまったのが、何とも悲しい。エスカレーターよぅ、あのくらい踏ん張れよ。
  • ということで、会場を走り回って来た。
  • まずは、「鬼将軍」さんの「超獣祭り」♪。一番に駆けつけ、「新作を全部くれ」と言ったところ、「ガラン」「オニデビル」「カイテイガガン」「オイルドリンガー」「バルキー星人」「ユニタング」と六つも新作が用意されていた……。続々と袋詰めされる商品を見て、背筋が寒くなった。大出費。あんたら、狂ってるよ。ヤプールの回しもんかよ。しかし大漁は喜ばしい。頭が超獣になってしまったので、そのまま「小鹿堂」さんに行き、「カメレキング」購入。この時点で下に戻ろうとしたが、例の事故で階段も停滞中。
  • そこで、「かなめみお」さんのところへ。新作は「ガイロス」「ケムール人二代目」という目も眩むアイテムがあったのだが、予算と相談し、ここは、「ヤモゲラス」「アリキメデス」のみ購入。頭が怪人になったので、そのまま、今回初参加「リベッターズ・アジト」へ。東映怪人に魂を捧げた男たちの香しきブースであった! アイテムは15分の1で、「ロッカーマン」「キノコモルグ」「ギリザメス」「ゴキブリ男」「カブトロング」。この五作は超絶技のレベルであり、もはや作家買いである。すべて購入。最近元気のなかった東映怪人ものだが、素晴らしいメーカーができたものだと嬉しくなる。次回も期待。
  • 「怪獣無法地帯」さんに行き、前回買い損ねた新マン怪獣たちを買おうとしたら、今回もまたムルチ売り切れ。結局、帰宅後、まとめて通販を頼むことに。「レオゴン」「キングマイマイ(幼虫)(成虫)」「ムルチ」がまとめてやって来る。
  • 「アトラゴンGK」さんの「ピーター」を堪能し、「おまんたワールド」さんの「セミ人間」にヨダレを流すも、予算を考え、両方とも断念。ああ、億万長者になりたい。
  • ここで四階から一階へ移動。20分くらいかかる。地獄。一直線に「けちゃっぷ堂」さんへ。「メイツ星人」購入。発売予定の30センチ「サドラ」を堪能する。けちゃっぷ堂さんは今後もいろいろ企んでおられるようで、楽しみなメーカーの一つ。「サドラ」、シルエットを見た瞬間は「え?」となるのだが、よくよく見ると、頭部の大きさ、腕の太さなどが絶妙のバランスであることに気づく。商品化が今から楽しみである。
  • 「酒井ゆうじ造形工房」さんへ。いつも書いていることだが、商品個数、値段づけなどの姿勢が、正直、好きではない。それでも作品の出来は一級品であるし、今回は「キンゴジ」であることから、ポリシーもデリカシーも捨て去って予約。現金先払いは、いったい何様よと思うけれど、自分の作品に自信があるわけだし、回りもそれを許しているわけだし、私ごときが何を言っても始まるまい。そもそも、私も先払いで予約しちまったしね。
  • 「レインボウエッグ」さんへ。前回、「ザンパ星人」を巡り、腐れ転売屋と小競り合いをしてしまい、ご迷惑をおかけしてしまったところ。その節は申し訳ありませんでした。驚異の「プロテ星人」を目撃。迷いつつも買う。
  • 「地球防衛軍秘密基地」さんへ。マイナー怪獣の完成品を販売される、気の狂ったメーカー。今回は「ゴルゴザウルスβ」が限定品。気が狂っているとしか思えない。グドンやツインテールをさしおいて、買う。いつまでも応援しています。ミラーマン、シルバー仮面バンザイ。
  • 一段落ついたところで、「モンスターメイカー」さんへ。今回、「南海ゴジラ」が再々販。やっと購入できた。そのまま、「ハイライト」さんへ行き、待ちに待った「ウルトラマンB」購入。前々回に発売となった「バルタン星人二代目」と対峙できる。
  • 最後は「YAMAKAWA造型部」さんへ。新作は「ゴジラVSデストロイア」。あまり好きな映画ではないし、思い入れのある怪獣でもないので、パスしようかなと思っていたのだが、実物のもの凄さを目の当たりにして、一転、予約してしまう。払えるのか、私。還暦までがんばるとおっしゃる山川さん。そのとき私は50歳ですが、遅れずについていくつもりですよぉ。
  • 今回も買いに買って、当初の目的、ほぼ完遂。ばんざーい。ああ、楽しかった。最良の一日だった。生きててよかったぁ。
  • ただ、怪獣ものについて気になったことが一つだけ。現在、メーカーさんたちの間で、誰が言い出したわけでもないだろうが、30センチサイズでの「ウルトラマン、セブン」の怪獣・宇宙人補完計画が進行中だ。二十年以上前、怪獣ガレージキット黎明期から、30センチラインというものがあり、メジャー怪獣たちは続々とキット化された。そして現在、今までキット化に恵まれなかった怪獣たちをワンフェスという舞台で商品化し、夢の全種制覇を達成しようというもの。今回は「プロテ星人」「ガイロス」「ケムール人二代目」「アイアンロックス」「ゴーロン星人」「ゴリー」「フック星人」などがそれに当たるか。ただ、30センチフルコンプに何の興味もない私にとって、それは少々寂しいものであることも事実。横の話し合いでアイテムが重ならないように気を遣いつつ、それぞれの個性で造型をしていく。それはそれでいいのだけれど、個人的にはいまひとつ、しっくりこない。補完計画はたしかに重要だし、心待ちにしている人もいるだろう。でも、そのメーカーが本当にこのアイテムを作りたかったのだろうか、となると疑問を感じてしまう。別にアイテムが重なってもいいと思うし、示し合わせたように仲良く作らなくてもいいだろうというのが率直な思いだ。私の好きなメーカーに「アトリエRainyday」さんというのがあって、そこはウルトラマンタロウの怪獣などを奔放な造型でキット化してくる。今回も再販ではあるが「タガール」や「改造ベムスター」など、思わず拍手したくなるアイテムが並んでいた。ワンフェスってこういうものだと思う。私は気が狂ってるメーカーさんが大好きなので、正気に返っているメーカーさんを見ると、ちょっと寂しくなってしまうのだ。