怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

刑事コロンボ・自縛の紐

 

スポーツジムのオーナーがトレーニング中、バーベルを首に落として死んだ。事故と思われる現場だが、コロンボは床に残された茶色の靴跡に目をつける。やがて浮かび上がる容疑者。だが、彼には鉄壁のアリバイがあった。コロンボの事件現場には「その直前に掃除した」ものが多い。「権力の墓穴」もそうだし、今回もそう。ラストの「紐」については賛否が別れるかもしれない。紐そのものには意外とインパクトが少ないため、切れ味の鋭さが感じられないからだ。しかし、犯人を追い詰めるのは「どうしてその時点で被害者が着替えていたのを知っていたか」とする論理の展開であり、結末はやはり鮮やかである。コロンボが怒りを露にする(それも人前で)点もポイント。「自縛」という字の意味が判らず、親に尋ねた記憶がある。彼らの名誉のために言うなら、二人ともちゃんと知っていた。