怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

相棒

  • 新シーズン第1話「ロンドンからの帰還 ベラドンナの赤い罠」を見て、あまりの面白さにふらふらとなる。

〈ストーリー〉
死刑が確定した朝倉が、拘置所内で釘を飲みこみ、病院へ。緊急手術が行われ一命は取り留めるも、その夜、朝倉は病室から消える。
運転免許試験場に勤務することとなった亀山薫。彼の携帯に朝倉からの連絡が。その用件は、朝倉が検事時代に取り調べた小暮ひとみという女性に関するものであった。彼女は数年前に起きた薬科大教授毒殺事件の容疑者。朝倉は同じ殺人者の臭いを、彼女から嗅ぎとっていたのだ。事件は結局、迷宮入り。朝倉は杉下右京に連絡をとり、小暮ひとみを逮捕してくれと亀山に依頼する。死刑囚は親族以外との面会を禁じられる。朝倉の脱走劇は、この件を杉下に依頼するために、仕組まれたものであった。
そのころ、杉下右京は休職してロンドンにいた。亀山の恋人美和子からのメールを受け、密かに帰国する杉下。彼は単身、大学に勤める小暮ひとみと接触する。
一方亀山は、弁護士であるかおりとともに、拘置所に戻された朝倉と面会。教授殺しの詳細を聞き出す。使用された毒物はアトロピン。カプセル状に加工、常用していたビタミン剤の中に紛れこませたものと思われる。
薬用植物園で再会を果たした杉下と亀山。二人は再び相棒となり、捜査を始める。
美和子が撮った写真から、小暮ひとみの不倫相手が浮かび上がる。相手は、会社重役の真鍋。早速、彼の許を訪れる二人。だが、その眼前で真鍋は毒死してしまう。使用された毒物はやはりアトロピン。手口は教授殺しと同じである。さらに、三ケ月前から行方不明になっていた、建設会社重役佐川がアパート内で腐乱死体となって発見される。発見現場には、真鍋たちと同じく、ビタミン剤のピルケースが。
三人の共通項を探す杉下。やがて、「七日会」という親睦会の存在が明らかに。会の名簿には、小野田公頭の名前もあった。
犯行状況などから見て、事件の犯人は小暮ひとみに間違いない。だが、決定的な証拠がないうえ、杉下、亀山には捜査権限はない。杉下は直接ひとみを追い詰める作戦に出るのだが……。

  • あまりにも面白くて驚いた。ここまでやってくれるとは正直、びっくり。大して期待もしていなかったので、さらにびっくり。
  • 天才的猟奇犯罪者朝倉が、天才的犯罪者小暮ひとみを逮捕させるため、天才的捜査官杉下右京を呼ぶ。もうこれだけでゾクゾクである。彼らの回りには、一流弁護士の武藤かおりがおり、警察官僚の小野田公頭がいる。凡人不在の智恵比べは、往年の長坂秀佳を思わせる。
  • ミステリーの構成としては、完全な倒叙スタイルである。小暮ひとみをいかにして逮捕するのか。「初めてあった時からあなたを犯人だと思っていました」などのくらくらするセリフが登場。ああ、幸せなどと思っていると、制作者たちはさらなるフェイクを用意している。ドラマが始まって1時間30分強。この時間まで計算されている。まさか、そうくるとはなぁ。「2時間スペシャル」であることすら、罠であった。やられました。