怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

刑事コロンボ・野望の果て

刑事コロンボ・野望の果て

上院議員の補欠選挙に立候補中のヘイワード。彼には立候補直後から脅迫状が届いており、厳重な警備体制がしかれていた。投票を明日に控えた夜、ヘイワードの選挙参謀ストーンが別荘の駐車場で射殺された。ストーンはヘイワードの上着を着ており、彼と間違えて殺害されたらしい。街灯が壊され、真っ暗な駐車場内で犯人はいかにしてストーンを撃ったのか。コロンボは疑問に思う。実は人気の高いエピソードである。射殺現場とヘッドライトの問題、犯人がどこから脅迫電話をかけたのか、ヘイワードが依頼していたオーダーメードの上着、とにかくたたみかけるようなコロンボの追求が楽しい。ヘイワードの殺害動機は「浮気」の維持である。ストーンは利己的で、一方的に「別れろ別れろ」とぶいぶい攻め立てる。好ましからざる人物に描かれているため、ヘイワードに多少同情したくもなるのだが、そうはならない。ヘイワードの妻ビクトリアの演技が光っているからだ。自縛の紐の未亡人といい、こうしたキャラクターとコロンボの組み合わせは絶妙。視聴者の気持ちをどこへでも自由に持っていける。