海岸で顔を潰された身元不明の死体が発見された。死因は感電死。現場付近に落ちていた本から若き天才映画監督、アレックスを訪ねる。やがて、死体の身元はレニー・フィッシャーという男と判明。彼とアレックスは幼馴染みであった。コロンボはアレックスが映画のオープンセット内でレニーを殺害したと確信する。類似点はほとんどないが、モデルはスピルバーグなのだろう。二人分のクリームソーダで攻め立てるあたりは秀逸。ただ、どこでどう疑いをもったのか、もう少し具体的であればなお良かったのだが。ラストは完全に演出過剰。ふつう、こんなことはしない。「攻撃命令」でビリヤードを使い、証拠を次々取り出す演出があったが、あれと同様。興醒めするだけである。新コロンボになってから、ピーターフォークはニコニコと微笑みっぱなし。それが少々、鼻につく。コロンボというキャラを大事にしているのだろうが、かってのような「鋭さ」、「嫌らしさ」が消えているのは、残念というより、見ていてつらい。