- お江戸日本橋亭で行われた圓朝座を聴きに行く。本日は鈴々舎馬桜師匠が二席。雨のせいもあってか、やや寂しい入り。途中、思いきり道に迷い、着いたときには、わか馬さんの「子ほめ」が始まっていた。
- 馬桜師匠、の演し物は続き物「安中草三・その四」と「文七元結」。実を言うと圓朝座は初めてであり、「安中草三」も初めて。パンフレットで今までの粗筋を追い、何とか話についていく。師匠は「地味だ」とおっしゃっていたが、今回は剣術立ち回りあり、一寸刻みあり、忍び返し串刺しあり、なかなか陰惨……いやいや華やかな印象でありました。続きが気になってしまいますねぇ。
- 「文七元結」はお馴染み。圓朝師匠が実話を脚色したとも、三題噺から三日で作ったとも言われている。登場人物もそれなりに多く、それぞれの心情変化が著しい。本当に難しい噺だと思う。基本は人情噺なのだが、馬桜師匠の高座には、こちょこちょとくすぐるような可笑しさが、あちこちにちりばめてある。げらげらばかりが笑いではない。くすくすの笑いがあってこその落語だろうと改めて感じる。聴きごたえのある2時間半。楽しい夜を過ごさせてもらいました。