怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

京都と法事

  • 4月4日-5日は法事のため京都へ。祖父の13回忌と父親の17回忌である。ここ3年ほどは、命日の墓参りもさぼっている有り様なので、今回ばかりはきちんと参加。
  • 4日は雨。にもかかわらず、新幹線はすごい人。そのほとんどが京都で下りるのだからたまらない。バス乗り場は長蛇の列。臨時便が次々と発車する。私の乗るバスは、四条河原町を経由して銀閣寺に至るという、あまりうれしくない経路を通る。案の定、車内はすし詰め。そのうち空くだろうと思っていたから、乗客は増える一方。皆、銀閣寺に行くのか? 平安神宮や動物園は素通りかい。京都のバスは後乗り、前下り、料金後払い。危うく下り損ねるところだった。
  • 祖母に聞いたところでは、土日の渋滞はひどいもので、歩いて20分ほどの道程が、車だと1時間かかるそうだ。
  • 今度書く短編は京都が舞台になるので、それとなく、付近を散策。かって住んでいた場所とはいえ、既に18年近く前。町もけっこう変わっただろうと思っていたのだが、あまり変わっていないのが、京都の恐ろしいところ。大きな変化は、京都駅ビル、三条河原町のホテル、地下鉄、ぐらいか。住宅街は昔のまま。私がかって住んでいたマンションも築40年、そのまま残っていた。
  • 法事は伏見のお寺。家からは親戚の車に同乗させていただく。道は相変わらず混んでいるらしく、運転手さんは抜け道を多様。京都女子の脇を抜け、桜並木の下を爆走していく。思った以上に早くついた。関西人はみなせっかちでうれしい。
  • そして伏見。寺田屋パワーで観光客地獄に陥っていた。観光バスがガンガン来るし。地元の人は、「竜馬と新撰組は大して関係もないのに、某ドラマではかなり密接に描かれている。その結果がこれだ」と嘆かわし気に語っていた。
  • 私の実家は某酒造会社で、伏見にある本宅は江戸末期の造り。今でも人が生活している家なのであるが、外見はどう見ても文化財風。法事で多くの人が出入りしているのを見て、入り込もうとする観光客が後をたたず、追い払うのに苦労していた。
  • 今回は念願かなって、本宅の間取りを検証できた。「七度狐」の旅館は母方の祖父母宅を参考にしたのだが、実地検分しなかったので、たいへん、いい加減なものとなってしまった。読者の方々には、申し訳ないかぎりです。あんな屋敷が出てくる話をまた書けるかどうか、というより、しばらく封印する決意をしたので書くつもりもないが、いずれは、またやってみたい題材なので、取材だけはしておくのでありました。奥の間、中の間、格子の間、主人の間とか興味つきない。
  • メモ片手にうろうろする私を見て、親戚たちは呆然としていた。
  • 3時すぎには墓参りも終わり、4時半の新幹線に。
  • 京都滞在中も仕事だけはしていたので、あと10枚で短編完成。帰宅したらやってしまおうかと思っていたが、疲労には勝てず、寝る。