怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

究極の巻きこまれ映画『セルラー』

Muho2005-08-31

  • M田氏が送ってくれた『セルラー』という映画のビデオを観る。この映画、アメリカで公開されたときから気になっていたのです。かの奇作『フォンブース』の携帯版と聞いていたので。


女性教師ジェシカ・マーティンの自宅に、銃をもった男たちが押し入ってくる。彼らは家政婦を殺害、ジェシカを拉致する。天井裏に監禁された彼女は、粉々に破壊された電話器を修復。誰かの電話に繋がることを祈りつつ、配線を繋ぐ。その「偶然」の電話を受けたのが、街のチンピラ(?)ライアン。彼はジェシカを救うため、携帯電話を片手に謎の誘拐犯に挑む。

 

  • いやもうこれが、爆発的に面白い。今では少なくなってしまった、頭と体を使った頭脳派アクション映画でありました。こいつは必見ですよ。巻きこまれキャラが好きな人は特に。
  • 男たちがジェシカ宅に押し入ってくるのは、本編開始から五分。この段階で「この映画はいける」と思いましたです。
  • 予告を観た段階では、ジェシカからの電話はすぐに切れてしまい、わずかな通話の手がかりから犯人を割り出すのかと思っていた。ところが、ずっと携帯電話は繋がったままなのね。これはすごかった。ジェシカとライアンの通話はずっと行われたまま、アクションが進んでいくのである。それに合わせ、携帯電話でありそうなトラブルをすべて、本当にすべてぶちこんでいる。個人的には、「4階にある警察署の「強盗殺人課(?)」に事件の報告に行きたいのだけれど、3階以上だと電波が弱く通話が切れてしまう。だから、助けを呼びに行けない」あたりは最高でした。あとトンネル、充電切れ、混線、音漏れもよかった。
  • 車を盗まれる弁護士役の人。最近、この役者さんの悪党面をあちこちで観る。「モンク」ではFBI捜査官だったし、「CSIマイアミ」では容疑者の一人だった。「エイリアス」か「ER」にもいたぞ。
  • こういう作品がひょいと出てくるから、アンテナは張っておかないとダメですなぁ。M田さん、ありがとございます。楽しませもらいました。

 

セルラー [DVD]

セルラー [DVD]

  • 発売日: 2017/12/16
  • メディア: DVD
 

 

  • トランクルームへの出荷は明日。ひととおり、梱包を終える。また読みたいなぁ、古本で買おうかなぁ、と思っていた「夏子の酒」が全巻出てきた。あ、もう買ってあったのか……。危ない、危ない。さっそく再読。大手の論理、工場生産の論理を否定的に描くのは作品の質からいって仕方ないのだろうけど。こちらとしては、大いに面白くない。安価で皆が日本酒を楽しめるのは誰のおかげだと思っているのか。それにしても、作中の親戚たちはやさしくて親切な人たちばかり。良かったね。ただそれと「夏子の酒」は別問題であって、これは後世に残すべき作品。