- 面白いかつまらないかと言われたら、これほどつまらん映画も珍しいと思う。麻薬でおかしくなったヤツらが、人間離れしたパワーとスピードを手に入れ、人々を殺していく……というストーリーはまあいいとしよう、セガール映画だから。ただ、そういう設定だったらばこそ、敵とはセガール一人が戦って欲しかった。現場にも立つ司令官的役割で、部下を引き連れていくなんて、セガールらしくないわ。「沈黙の奪還」では一人で大暴れしたくせに、どうして、今回に限ってしてくれないの。
- とにかくすべてが大雑把で、セガールを狙っているのが、政府なのかマフィアなのか製薬会社なのか中毒患者なのか、さっぱり判らなくなってくるが、「あれ?」と思っている間もなく、セガールに殺されてしまうので、ますます訳が判らなくなり、最後、どうしてセガールの他に「ノブ」という東洋人が生き残るかがひたすら気になりつつ、深く考えるのも面倒なので、こうして日記を書いている。
- ただ、2007年の時点で、「上水道に毒を入れて住民を困らせてやろう」というドラマを本気になって作っている人々がいたことは、記憶にとどめておくべきだろう。
精鋭部隊の訓練のため、教官としてパリを訪れたセガール。だが、パリにつくなり、何者かによって部下三人は惨殺。彼らの体内には、未知の麻薬成分が残されていた。常習性を伴い、やがて人間を超人へと変貌させる新型の麻薬。それをパリの上水道に混入し、中毒患者をいっぱい作ろうという意味不明、ショッカー、ギーーー ! みたいなヤツらがいて、怒りに燃えるセガールは都合良くその麻薬開発に関わっていた恋人たちとともに、戦いを挑む。ミュータントと化したものすごいヤツらとセガールの激闘!