- どうぜつまらんだろう、とあきらめ半分で見ていたら、びっくりするくらい面白かった。こんなことって、あっていいのだろうか。収穫だった。
- まず何より、前半のガルモラル島脱出までの戦場シーンがそれとなく良くできている。予算は全然ないのだけど、雰囲気というかスピードというか、従来のセガール映画にはないセンスの良さが光る。中盤はマイアミ。ここで微妙な駆け引きが行われ、けっこう中だるみするのだけれど、実はここにけっこうな伏線が仕掛けられていたりして、後々、感心することとなった。後半は、どうせ妻子を取り戻すための三つ巴、四つ巴の殺し合いだろう、と覚悟していると、頭を使ったどんでん返しなどがあって、これまた驚く。たぷたぷに太ったセガールが敵を叩きのめしていくのではなく、状況と情報を巧みに操って、目的を完遂していくーー、いつもより少しIQが高い映画に仕上がっていた。ラストもちょっぴり心温まるものであり、セガール映画としては、「沈黙の聖戦」以来の収穫ではなかろうか。
- DVDには、「息詰まるアクションの数々と先の読めないストーリー、爽快感120%の極上エンターテイメント」とある。かなり誉めすぎの感はなくはないけれど、少なくとも嘘ではない。かなり良質な映画ではあった。
アフリカガルモラル島で傭兵が主導した反政府運動。だがフランス軍の介入により、傭兵部隊は敗北。傭兵であるセガールの仲間三人も死亡する。その裏側には、傭兵の元締めチャペルとCIAドレシャムによる裏切りがあった。戦死した戦友に頼まれ、残された妻子の面倒を見ようとするセガールだが、チャペルより新たな仕事の依頼が。刑務所に収監されている武器商人を脱獄させるというもの。戦友の妻子を人質に取られたセガールに拒否は許されない。さらに、ドレシャムは執拗にセガールの命を狙う。怒りに燃えるセガールが大暴れ。刃向かうヤツらを皆殺しにするぞ!