- アマゾンからスティーブン・セガール先生のDVDが大量に送られてきてしまった。仕方なく、一番面白そうに思えた「一撃」を観る。
- 結論から言うと、これが大ハズレ。下も下。悪夢のような下だった。
- 最近のセガール作品には三つほどのパターンがある。一つはアジア系のアクション監督と組み、ワイヤーワークと吹き替えバリバリで見せるB級アクション。これはけっこう面白かったりする。二つ目はアメリカで得体の知れないすかしたラッパーとコンビを組んで大暴れするB級アクション。相棒のラッパーがとにかく鬱陶しいのであまり面白くない。三つ目はワルシャワなどでロケをした東欧編。このパターンの場合、吹き替えもほとんど使わず、ヨタヨタした格闘シーンが少し、残りは退屈なガンファイトが展開され、けったいなアジア趣味も開陳される。このパターンはどれも駄作揃いで哀しくなる。「一撃」はこの三つ目のパターンだったのだ。
- ストーリーはなかなかいい。エージェントのウイリアム・ランシングは政府機関の許を離れ、野生動物保護の仕事をしていた。そんな彼にも文通相手が。ボランティアで始めた文通の相手はポーランドの施設にいる少女。ところが、突然、彼女が行方不明に。国際的人身売買組織が、少女を連れ去ったのだ。ウイリアムは単身ポーランドに乗りこみ、少女を取りかえすため、悪人たちをバキバキのベキベキのボキボキにしていく。
- それにしても退屈な映画だった。何より、東欧の荘厳でシーンとした建物の中で、老体セガールがヨタヨタ悪人と戦ってもなぁ。
- 唯一の収穫は、東欧のキャバクラ。セガールが立てこもり、悪人どもを叩きのめすのは「日本の間」。壁には「美」という漢字が書いてあるのだが、横棒の長さが全部バラバラで、すごく気持ちの悪い「美」だった。他にも変な着物とかオマルみたいなのも置いてあり、しかも、「日本の間」からは秘密の抜け穴が通じているという……!
- ちなみに、「一撃」は劇場公開されている。「男たちの火祭」と題し、ジャン=クロード・バンダムの「レクイエム」、ウェズリー・スナイプス「アウト・オブ・タイム」と順番に公開されていった。いやぁ、こんなの劇場で観させられたら、火祭どころか、こっちが血祭り、払ったお金は後の祭り。