怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

沈黙の断崖

Muho2006-04-08

  • スティーブンセガールの「沈黙の断崖」DVDが980円になっていた。いくらハリウッドプライスとはいえ、セガールが知ったら、怒鳴り込んでくるのではないかと思う安さ。これを機会に、セガール作品コンプリートに向けて発進する。
  • 本日は「沈黙の断崖」。原題は「FIRE DOWN BELOW」。頑なまでに「沈黙シリーズ」と銘打っているが、「沈黙の戦艦」「暴走特急」とは欠片の関連もない。強いて言うなら、どちにもセガールが主演ということだ。「復讐ーそれが最後の任務」「沈黙シリーズ完結篇」とジャケットなどにも言いたい放題されていて面白い。


ケンタッキー州の田舎町付近で行われる不法投棄(放射性物質含む)。匿名の通報を許に、調査を開始した環境保護庁だが、派遣した調査員はことごとく謎の死を遂げる。友人を殺害され、怒りに燃える調査官ジャック・タガートは一人、街に乗りこみ、不法投棄の実態を探る。ちんぴらのアゴを砕き、保安官を叩きのめし、用心棒の鼻をへし折り、セガールいや、ジャックは、鉱業界の黒幕に迫る。

  • 私見だが、セガールはこれで「シェーン」をやりたかったのだろう。保守的な街に来た風来坊が、孤立して生活している女性を助け、さらには街を脅かすならず者を叩きのめし去って……いかない。
  • この作品のポイント1は、マーグ・ヘルゲンバージャー演じるサラ・ケロッグのいかれた兄貴。彼は実の妹を溺愛する意味不明のサイコ野郎だ。それまでは不法投棄一味対セガールという淡々とした図式で展開していた物語が、彼の登場でめちゃくちゃになる。サラが起こしたとされる父親殺しとか、いろいろなことが兄貴に集約されているのだけれど、作っている人たちの頭か悪すぎて、きちんと説明できていない。ただのサイコ野郎として放射能廃液を食らい、すべては闇の中。セガール映画の醍醐味をとことん味わえる。
  • ポイントの2は押しつけがましいアメリカ色、カントリー色。嬉々としてパーティーでギターを弾くセガール。とりあえず必見である。むろん、楽しいパーティーのすぐ後には、セガール大暴れという本来のパーティーも用意されている。ギターコレクターのセガールはこの作品で作曲も手掛けていらっしゃる。
  • 総じて、この作品、私は気に入っている。評価は10点満点で7点。
  • 沈黙のムサイ。

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