怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

吉原手引草と野球

  • 「吉原手引草」(松井今朝子)を読んだ。直木賞候補となる直前、信頼おける某編集さんから進められ、慌てて注文。しかし、出荷を止めているのかまったく届かない。発表の翌朝、近所のダメ本屋「文星堂」に一冊おいてるのを見つけたのだが、「直木賞発表の翌日に受賞した本をレジに持っていく」ことほど恥ずかしいことはなく、見送った。帰宅直後、本が届いた。見送って正解だった。

  • 評判通りの傑作。吉原を舞台としているだけあって、落語好きな人間にとっては、二倍楽しめる。「居残り佐平次」や「お見立て」が思い浮かぶし、暗黒的な滑稽作「お直し」に近いブラックな部分もある。

  • 物語は一人称の聞き取り形式で進む。作者が吉原に起居する関係者にインタビューをしていき、それのテープ起こしをしている案配だ。とにかく「粋」ともいえるおしゃべりが軽快につづいていく。読んでいても気持ちがいい。

  • もう一つ、注目したいのは、この作品が実はミステリーであること。人気絶頂の花魁が、忽然と吉原から姿を消した。なぜ? どうやって? ミステリーとして見た場合、「聞き取り形式」の採用は大正解。聞き取っているだけだから、相手が本当のことを言っているかどうか判らない。嘘を堂々と書いていても良い。花魁失踪の方法(トリック)は、古典に先例がいっぱいあるけれど、「聞き取り形式」にしたことで、より鮮やかになるなぁと今にして思った。ほかの人にとっては常識かもしれないが、私には発見だった。

  • もっとも、著者にはミステリーを書いたという思いなど微塵もないだろう。一番良いと思える表現形式を突き詰めていったところが、この作品なのだろうから。
    多くの人がインタビューされるのだが、それぞれに悲喜こもごもの人生がちらりと語られる。くすりと笑えるところもあり、その辺は、古典芸能的。著者の才能はもちろん、大いなる計算の末、できあがった傑作であると思う。

 

吉原手引草 (幻冬舎文庫)

吉原手引草 (幻冬舎文庫)

 

 

  • えー、前にも書きましたが、今年阪神が好調子にもかかわらず、一切触れていないのは、全然、楽しく野球を見ていないからです。基本的に阪神以外の悪口はできる限り書かないというスタンスでやってきたのですが、今年、私は讀賣というクソ球団がどうしても許せない。阪神が勝つより讀賣が負けたときの方がうれしい。こんなねじ曲がった感覚では、何も書けないでしょう。
  • 超一流の選手はメジャーリーグに行き、優秀な選手は讀賣が金で買い、残ったそこそこの選手が讀賣に挑むみたいな図式が演出されていては、野球人気が下がるのも当然でしょう。
  • そんなこんなで、今年だけは讀賣を優勝させてはいかんだろうと。でも、このままいくと多分、優勝するのだろう。阪神が連戦連敗で、八月中頃にはゲーム差がなくなり、九月頭くらいで逆転優勝が決まって、また、私が「ゴキブリ」「タマネギ」「のど自慢」についで嫌いな言葉「メークドラマ」とかが流行るのさ。くそぉぉぉぉぉ、むかつく。
  • と諸々、そんな気分で25日の野球を見ていたのだが、讀賣対ヤクルトの三連戦、ヤクルトのへっぽこぶりがあまりに酷い。どう考えても、わざと負けてるようにしか見えん。ノーコンの抑え、炎上中継ぎ、火だるま先発。将来、みんな讀賣が買ってやるぞとか鼻薬をかがされたのか。
  • ちなみに、讀賣ヤクルト支店と他球団の対戦成績。

対中日 6勝5敗1分
対阪神 7勝7敗
対横浜 7勝7敗
対広島 6勝4敗
対讀賣 5勝10敗

  • 横浜はいいのよ。ある程度バランスとれているから。

対中日 3勝7敗
対阪神 2勝9敗
対讀賣ヤクルト支店 7勝7敗
対広島 8勝9敗
対讀賣 3勝10敗

  • しかし、2球団で20勝プレゼントやからねぇ。
  • と、今年野球について語ると、こんなになってしまうのです。誰もが不愉快でしょう。だから、今年は野球についてあまり語らないことにしているのです。
  • あ、それから今年はオリンピックという徴兵イベントがあった。日本の親玉星野はさぁ、「病気だから」と阪神の監督を優勝の翌年辞めたんだぞ。命にかかわる病気のおっさんが、なんで、日本しょってオリンピックいくんやねん。仮病野郎が。

(27日追記)
(怒りがおさまらない)

  • ヤクルト、手抜き野球もいい加減にしくされや。広島、阪神には本気だすのにのぉ。読売の支店は横浜だけで十分じゃ。選手全員、読売に買い取ってもらえ。
  • それでも、山本昌の199勝は喜ばしい。一気に200勝を決めて欲しいところ。