- 初の本格インタビュー集「クリント・イーストウッド」(マイケル・ヘンリー・ウィルソン編)を読む。1984年「タイトロープ」公開を口実に行われたインタビューから始まり、2006年「硫黄島からの手紙」まで。マルパソ設立、恐怖のメロディ、ブロンコ・ビリー、ダーティーハリー、アウトロー、ペイルライダー、バード、許されざる者、ミスティックリバー、ミリオンダラーベイビー……。物作りに携わる人間には必読の書ではないかと。
「あなたにとって、最もわくわくするプロセスは?(略)」
編集だ。
わたしにとっていちばん大事なのは、観客がそういう見かけだけでなく、複雑な背景を含めて、まるごと映画の世界を味わってくれることなんだ。
偶然が差し出してくれるものをいつでも受け入れられるような態勢でいたいんだ。仕事仲間の意見をいつでも受け止められるような柔軟な態勢でいたい。ものごとには骨組みが必要だが、融通が効かないようでは困る。どんなにしっかりした骨組みがあっても、そのときどきの思いつきを組み込む余地がなければだめなんだ。
そう言う場合は、見えていないものが重要なんだ。登場人物の考え方を、観客が想像することになるんだ。すべてが見えていたとしたら、退屈だろうね。できるだけ見せない方がいいこともよくあるんだ。
- とにかく、読んでいてぞくぞくするようなインタビュー集だった。
- 「オチケン2」の校正終了。〆切より一週間早いぞ。明日、宅配便で送付予定。