- 蘇部健一さんの新刊が出た。その名も、「赤い糸」。帯には「運命の赤い糸で結ばれたふたりの出逢いまでを描く……」いいですか、ここからが肝ですよ「……切ない恋愛小説」。恋愛小説、恋愛小説……エコーとなって我が耳にこだまする。帯裏には「運命の男性の絵が見えてしまうので最初から順番に読んでください」ともある。このあたりは、まごうことなき、蘇部健一。真っ赤なバラの表紙。「え!?」と思ったならぜひ!
- 「無法地帯」「丑三つ時から夜明けまで」「警官倶楽部」はまったく売れなかった三兄弟なのだけれど、自分の素に近い部分で、とても楽しく書けた。「七度狐」「福家警部補の挨拶」「聖域」は、私の中では売れた方の三兄弟なのだけれど、書くときはかなり無理をしている。いろいろと苦しんだ記憶ばかりがあり、楽しく書けたとはとても言えない。 難しいものだ。