怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

「医龍2」

  • 「医龍2」の第一話を見て、あまりの面白さに腰が抜けそうになった。元旦の「相棒スペシャル」につづいて大ヒット。一年のうちにこんなものが二本もあるなんて。
  • 「チームものはメンバー集めが一番面白い」とは、作家蘇部健一氏の名言だが、それを実践して成功した「医龍」第一シーズン。続編はチームが既にできあがっているため、どうするのだろうと思っていたら、複合手術合戦できた。
  • 公開ドール手術と帝王切開&バチスタの日程が重なること、霧島が助っ人として現れることは、簡単に予測できた。出演者の中に名前があったし。新聞の番組欄がネタばらしだった。ちょっと残念。でも、そんなことは問題にならないくらい、細かな配慮がされていて、好感度特大の脚本だった。
  • ドール手術側の患者をわずかに見せることで、それも罪のない人の良い一般人と設定することで、日程が重なったとき、ドールとバチスタの優劣決定の瞬間に、はっとさせられた。観ている側は、りょうの演技に引かれ、バチスタ側にものすごく感情移入している。「バチスタ」を優先しろという気分になっているところに、「ドール」の親父の顔が重なる。そこで、観ている側も登場人物と同じく、ものすこいジレンマを感じることとなる。これって、意識的になされた「仕掛け」だと思う。偶然ではないはずだ。
  • 妊婦のバチスタを設定することで、活躍の難しい内科係の佐々木蔵之介を存分に活躍させたことも上手い。
  • ドールを「公開」と設定することで、手術の模様をバチスタ側の手術室でも見られるようにしたことは、もう神のアイディア。
  • 「ドール」「バチスタ」で、「いや、よくやってくれました」と拍手していたのだが、何と、もう一つ、「新生児HLHS」がさらに始まる。三つの手術が同時進行となるわけだが、「携帯電話で指示をされながらの手術」という、「セルラーサスペンス」も入れ、そこに夏木マリを当てるという、完璧な布陣。素晴らしいよ。完璧ですよ。「やりすぎ」が「丁度いい」と感じたひさしぶりのドラマだった。
  • ただ、「HLHS」の勃発で、「チームドラゴン」が分かれて手術する点には、ちょっと疑問も残るけれど。
  • 意外な犯人まで登場するが、本作は「単独のスペシャル」で見たかったなぁ。第二話以降へのサスペンスが余計に感じるくらい、メインのエピソードが充実していた。
  • 脚本のアイディアと的確な演出が生んだ大傑作だと思う。お金の問題ではない、やはりアイディアの問題なのだなと、他の番組と比較してしみじみ感じた。