怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

長坂秀佳と銃弾・神代課長撃たれる!

  • 特捜最前線DVDBOXの第五弾が到着。アンケートによる「トップ50エピソード」はほぼ終了してしまったので、今回は「特命課オールスター選」。レギュラー一人一人の主役回を一本ずつ……とかなっているが、要するに、もう何でもありの状態。ちなみに、同封のチラシには、第六弾の発売も決定したとか。10月21日発売予定。いよいよ、全話DVD化?
  • そんな流れを記念して、第397話「銃弾・神代課長撃たれる!」(脚本・長坂秀佳 監督・辻理)を見て、あまりの面白さにふらふらとなった。


深夜、神代が狙撃された。右大腿骨、骨盤損傷の大けがで、病院に搬送後、手術が開始される。残された特命課員たちは、捜査を開始する。神代は手術前、「電話」と言い残していた。課長席の電話はすべて録音され保存される仕組みだ。しかし、その時点でテープは完全に消去されていた。何者かが特命課に侵入、音声のみ消していったのだ。その手口は明らかにプロのもの。
一方、課長狙撃の現場検証も並行して行われる。課長が狙撃されたとき、現場付近には二人の男がいた。一人は周辺を縄張りにしている浮浪者。もう一人は渋谷南署の刑事、的場大。下着泥棒の張り込み中、偶然、狙撃の瞬間を目撃していた。的場の証言などから狙撃地点は特定されるものの、犯人の意図、人相などは不明のままである。唯一の手がかりは、逃げた浮浪者。彼は犯人の顔を目撃している可能性が高かった。
叶たちの調べで、狙撃当夜、神代が追っていた事件の真相が明らかとなる。新鋭機大量購入に関んする汚職事件。政府高官の一ノ瀬が関与している疑いがあり、彼には50億の金が流れた形跡がある。神代は新鋭機「デルタ303FT」の生産会社であるカッパー社の社員、通称「ブラウン」からの内部告発を受けていたのだ。ブラウンは一ノ瀬の名も記された秘密契約書のコピーを所持しており、それを神代に渡そうとしていたのだ。黒幕はすべてを闇に葬ろうとしている。神代を狙撃したのは、黒幕に雇われた殺し屋だ。
桜井たちは、唯一の証人である浮浪者「ガクさん」を探すが、殺し屋に先を越されてしまう。
手がかりをなくした特命だが、手術を終えた神代が意識を回復、再度、ブラウンとの取引が行われることに。問題の契約書のコピーはブラウンの友人である「グリーン」に手渡してあるという。グリーンとの接触は、高田馬場の噴水前で午後三時に。グリーンの正体は、特命も殺し屋も知らない。取引前に何とかブラウンを保護しようとする特命だが、殺し屋の銃弾はブラウンの命も奪い去る。
迫る午後三時。殺し屋が爆弾を使い、グリーンとコピー双方の抹消を図ると推理した神代は、病床から指揮をとる。高田馬場を舞台に、命をかけた駆け引きが始まる。特命課は爆弾の爆破を防ぎ、ブラウンのたくした証拠を入手することができるのか。

  • 神代が意識不明となり、橘たちが神代の行動をデーターと推理で追っていく前半、高田馬場駅前の張り込みが縦横に展開する後半に分かれる展開。謎そのものは別になく、サービス精神に満ち満ちたジェットコースター的作品であった。後半、殺し屋の仕掛けた陽動、監視カメラの故障、神代の病状悪化など、様々な困難を設定することで、迫り来る殺し屋のサスペンスが盛り上がる。そのあたりの計算はさすがであるものの、いささかオーソドックスであり、悪い意味で「過去の類似作品の集大成」になってしまったのは、残念。
  • 今回は渡辺裕之演じる的場刑事の登場が注目。登場、退場のタイミング意図が不明確で番組自体も終盤にさしかかる手前であること、などからいままであまり注目、評価されなかったサブキャラクター。もし今、特捜最前線をやるならば、彼が桜井あたりのポジションに入るのだろうか。
  • サーモグラフィが大きな役割を果たすのだが、あまりに役立ちすぎて、ちょっと失笑。「はじきは熱い、サーモだ!」「金属は冷たい、サーモだ!」「歯が痛い、サーモだ!」。サーモがあれば、「1000万人の笑顔を砕け」事件ももっと早く解決できたかもしれない。もし今、特捜最前線をやるならば、サーモグラフィは必携装備ということで。