怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

ウルトラセブンX。バツではない8

Muho2007-11-24

  • 「ウルトラセブンX」第8話を観る。本作の脚本家とは、とことん相性が悪い。改革云々が声高に言われている円谷プロだが、この人に要所要所を依存しているようでは、ロクなものはできないだろうと思っている。ただ、一つ大きな発見があり、少し反省した。過去の失敗を自省せず、観る側にそれだけのセンスがないのだとばかり、同じものを書いては同じ失敗をくり返し、ついにはウルトラマンを無茶苦茶にした張本人という認識だったが、それは間違いだったようだ。今回の脚本を見る限り、「観る側にセンスがない」とか「過去の失敗の遺恨を晴らしてくれる」とかそうしたドロドロしたものは一切なく、ただ純粋に、「今はこういうものしか書けない」のが実情のようだ。ライフワークというか、表現者としての模索というか、試行錯誤の中にいるようで、それならば、この路線をどこまでも追求して、新たなウルトラなり特撮ものを創造していただきたい。
  • で、「ウルトラセブンX」がいつものように嫌いだったかというと、それが真逆。とにかく素晴らしかった。びっくりした。深夜枠でのウルトラというのは、こうするべきなのだというお手本の一本だった。もっと早い時点で、今回のような作品が観たかった。生きるか死ぬかの緊張感と傷の痛みがほとばしる、抜群のエンターテイメント。これまでの脚本、演出に比べ、一日の長がある。内容、迫力すべての面で、過去七作品に勝っていた。映像としてアンフェアな部分が多く、それはないだろうという思いもあるが、某映画をテーマとしたオチはそんなことを忘れさせる。落としどころをきっちりと練った、素晴らしい脚本だったと思う。演出もそれにフィットしていて、まさに二人三脚な感じだった。これで全話手抜きなくやったとしたら、相当な傑作シリーズになったと思う。
  • セブンの活躍も良かった。うーん、二回観てしまったよ。