怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

ウルトラセブンX。バツではない12

  • ウルトラセブンX最終回を観る。ここにくるまで二話費やしているのだから、もうやるべきことは決まっており、あとはそこに向けてどう上手く処理をするかだけ。CGによるセブンの描写は目新しさはもはや無いけれど、円谷でこういう見せ方が出来たという点で評価すべきと思う。シリーズ全体を通しても、セブンXの描写はとても好きで、この点についてはもっと正当に評価されるべきだろう。「怪獣プロレスからの脱却」とか、そんな陳腐なことを言うつもりはないけれど、セブンXについては、大変、スタイリッシュで格好良かった。
  • ただ最終回にしては、何だか良く判らないことが多く、つまり情報操作していた真の敵は何だったのか、目的は何だったのか、どこから来てどこに行こうとしていたのか、なぜあの形だったのか、操作によって人類はどんな不利益、利益を被っていたのか、そしてこれは一番大きな問題だけれど、エージェントの元締めも手先だったとするなら、なぜ、エージェントを駆使して他のエイリアンを殲滅していたのか、彼らは人類に今まで通りの生活を営んで欲しかったのか、他のエージェントは何していたのか、浮遊看板が全部壊れたのに他の人々たちはなぜ気がつかないのか、情報提供がなくなった人類はこの後どうなるのか、そこをやれば面白くなるのにと思える部分がすべてそのままにされて放り投げられた気がする。ラスボスをこれだけのスケールにするならば、「予兆」をもっと大胆な形で全体に散りばめる必要があっただろう。せっかく主人公を記憶喪失にしたのに、自分探しの旅はほぼ皆無であったし。ウルトラらしいバラエティー豊かなエピソードが頻出しただけに、いっそ、こんなラスボスなど設けずに、ただ侵略者と戦う姿だけを映していて欲しかった気はする。
  • 並行世界を設定して、「セブン」と「X」に関係性を持たせたことは、どう評価していいか判らない。上手いなと思う反面、世界観の創造を評価していた私としては、結局それかいと裏切られた気分になったのも事実。ラストシーンを見て喜んだ往年のファンがどれほどいたのかは疑問だし、若い人たちには意味不明だろう。今後発売されるDVDなどを購入する気満々でいたけれど、あのシーンでそれが大きく萎えたのは事実。
  • とはいえ、全体としてはやっぱり好きな番組だった。2-9話にかけてはそれなりの完成度を示していたと思うし、もし第二シーズンができるとしたら、やはり期待を持って観るだろう。
  • そのまま「ウルトラ怪獣バトル」も見る。正直、ゴモラにも飽きてきたなぁ。もっといろいろな怪獣が手元にあって、敵怪獣の特性に合わせ、使い分けるくらいのことをして欲しい。スノーゴンが出てきたから、ザンボラーで応戦するみたいな。全13話ではそこまでできないか。それなりに出来が良いので、もったいないと思う。