怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

ザ・プロファイラー「善か?悪か?時代に吠える怪獣王 ゴジラ」

  • ザ・プロファイラー「善か?悪か?時代に吠える怪獣王 ゴジラ」を見る。いやまあ、普通の人が見れば、「ふーん、そうなの」で済むだろうが、私のように、怪獣で頭がおかしくなっている者にとっては噴飯物の内容だった。いや、番組の構成自体は、上出来とは言わないけれど、最低限のレベルはクリアしていたと思う。初代礼賛に始まって、社会性、テーマ性が失われ、子供のアイドルとなり……という流れは、ゴジラをまとめる上でよく見られるし、また嘘ではない。私は「ゴジラの息子」をこよなく愛しているし、ジェットジャガーは大好きだし、「メカゴジラの逆襲」は何度見たか判らないし、「怪獣総進撃」はゴジラ映画のトップ5に入る。だから、後期シリーズを「お子様向け」でひとくくりにするまとめ方は大嫌いだけれど、それは怪獣オタクのごく狭いテリトリーだから通用する理屈で、一般に向けてアピールしても「?」マークが並ぶだけという現実も判っている。だから、番組自体に恨みはない。
  • ただ大いに気になったのは、ハリウッド版も含めた平成シリーズ以降の紹介と批評だ。特に、スタジオゲストの一人、俺様風の評論家ががペラペラと話すペラペラの評論が頭でっかち過ぎて、ありがち過ぎて、もう苦笑も失笑も出ないという状態だった。佐野史郎氏の突っ込みも通用せず、白けた空気だけが残った。
  • そもそも、ビオランテに社会性なんてあるか。あれは「キッス・U・ガーイズ」、三原山ドーン、アーメン! 最悪の事態ですし、ビオランテがぁ進化している……、薬は飲め! でいいんだよ。俺なら若狭だし、ヤングエリート集団なんだよ。銃撃シーンがあって何が悪い。三田村邦彦が科学者で強くて何が悪いんだ? そこが映画の本質か? なんちゃってな当時の風潮が入っているからいいんだよ。映画っていうのは、作られた当時の世相を映しだす。そうでなくては作る意味もない。それを今の視点から見て、冷笑するなんてのは、映画の批評、評論としては下の下だろう。
  • 私は保守的で鬱陶しいおっさんの怪獣オタクだが、平成シリーズ以降のゴジラも愛している。うーん、正直、「ミレニアム」は微妙、「GMK」は無理、「ファイナルウォーズ」は当時、大嫌いだったが最近、良さが理解できてきたーーけれど、やっぱり総じて愛している。そろそろ、ゴジラを語るのであれば、きちんと平成シリーズも批評、評価するべきだ。社会性、テーマ性とか目に見えないものを物差しにして評価するのではなく、目の前で大暴れしている怪獣の姿をただただしっかりと見て、純粋に、怪獣映画の持つ面白さについて論じていただきたいものだ。