- 怪獣の造形では、現在、世界一だと思う宮崎さんのブログより。あまりにも書いてあることがかっこいい。次回作はダンカン。
人類が文明を持ち始めた太古の昔からミニチュアは存在していました。
古代エジプト美術やギリシア・ローマ美術がそうですが、日本では埴輪や
仏像などが判りやすい例かと思います。
そしてそこには必ず何らかの誇張表現(デフォルメ)が施されている訳です。
デフォルメとは美術において対象を変形させて表現する技法の事で、
絵画や彫刻などでモチーフの特徴を誇張・強調させ変形を加える表現手法です。と、難しく説明すればこうなりますが簡単に言えばカッコいいものは
よりカッコよくしたらいいやん!という事ですね。(笑)
車の模型を例に例えると実車より車高を低くしたり、フロント部分を長くしたり
しております。当然イメージを損なわない僅かなアレンジではありますが
それをやっていない、または出来ないメーカーさんのモデルはやっぱり
人気がない様です。さて話を怪獣造型に戻しますが、ここから先は私的な見解ですので必ずしも
それが正しいという訳では無いことをご留意ください。
まず自分は誰もがよく目にする代表的な写真通りには作っておりません。
それは似せて作るのはある方法を使えばプロポーションをトレースするのは
さほど難しい事ではないからです。
それよりも先ず第一に出来上がった造型に新鮮味がありません。
逆に見慣れないポーズをそれらしく見せる方がはるかに時間と手間がかかり、
一歩間違えば別物に見えてしまうという危険も含んでいます。今回のダンカンはどちらかと言えばズングリしたイメージですが、これをそのまま
30センチサイズで造型しても決してカッコいいものではありません。
またそれは同時に早く飽きがくる事を示唆しています。
そこで私の場合は中のスーツアクターを怪獣の骨格に例え、やや前屈みのポーズで
芯を作りました。その際に胴体をやや長めにしております。
これに高山造型のもう一つの特徴でもありますS字ラインを頭から背骨、太股に加え、
最後に着ぐるみに施したウレタンによる肉付けを反映させました。
まぁこうして出来たモノが画像でも紹介している直立に近いダンカンですが、
間もなく発送開始ですのでお手元に届きましたらその辺りのアレンジも
チェックして頂ければ幸いです。