- 歯医者に厳しく言われ、ついに観念して親知らずを抜く。今回は左下。前回右下を抜いたときは、脆くなっていた歯が砕け、歯茎を切り裂いてかけらをもぎ取り、薬を入れて縫合するという、文字にしていても肌が粟立つ悲惨なものだった。
- 今回は歯の状態もいいので、「楽に抜けます」と歯医者はにやりと笑う。状態がいいのなら、なぜ抜かねばならんのか、という突っこみはあえてせず、粛々と椅子に座った。
- 抜くときは麻酔がきいていて痛くはないが、麻酔を射つときが痛い。覚悟をしていたが、ビバ! 技術革新、針が細くなったのか、医者の腕がいいのか、全然痛くない。さい先がいいと喜んでいたのだが、いざ、歯を引っこ抜くときは、やはりペンチなのね。この方面の技術革新はどこに行ったのか。
- メリメリ、ミシミシ、ガガガガ、ゴーリゴーリ、メリメリメリメリ、ポン!
- 「抜いた歯はどうされますか? 持って帰られます?」「いらんわい!」