怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

怪獣小説覚え書き

  • 怪獣小説をあれこれ読んでの覚え書き。(ホントにホントに覚え書き)
  • 怪獣は、映像、音楽、漫画などあらゆるものを席捲してきたわけであり、最後に残されたものが、小説なのではないか。 ただ、人々の怪獣観は多様。小説は一人が生み出すものであるから、作者の怪獣観が色濃く反映される。
  • 怪獣小説は、作者が出発点を「ゴジラ」に置くか「ウルトラ」(実はウルトラQにしぼられるのではないかとも考えるが、まだ言い切る自信はない)に置くかで変わる。 小説になると、なぜか怪獣は恐竜化しやすい。
  • (追記) 怪獣の記号としては、「キングギドラタイプ」か「バラゴンタイプ」に寄りやすいか。前者は「人類に滅亡をもたらすもの。言い換えると使徒的」。後者は「食物連鎖の頂点として、人に最大の恐怖をもたらすもの」。「恐竜化」というのは、その辺も含んでいる。
  • (追記2) もう一つ、怪獣小説最大の壁は、「怪獣ものはどこまでSF であるべきか」であると思う。映画だと、「皆さん喜んでください。新しい機械です。簡単に言うと直径二百メートルのレンズです」と言いっ放しにできるが、小説ではそうもいかない。「ブラックホールから吸いこまれたゴジラ細胞がホワイトホールから出てきてスペースゴジラに」とさらりとセリフで逃げることもできない。では、SFと正面から向き合った怪獣小説が、皆が期待している怪獣小説かというと、絶対にそうではないと思う。そこが、難しい。