- 池袋ジュンク堂書店さんで行われた「刑事コロンボ読本」(洋泉社)刊行記念、『刑事コロンボ1974 町田暁雄✕月村了衛』に行く。
- 当然のことながら、興味深い話がいっぱい。これだけコロンボについて読んだり見たりしているのに、こうしたイベントで必ず「初耳」にありつけるのは、町田さんというコロンボ研究家の凄さを物語っている。「殺人が二度あるのは、長い90分ものより75分ものの方が圧倒的に多い」「旧シリーズは人間ドラマよりミステリーを取った。新シリーズは逆で人間ドラマを取った」など、ウンウンとうなずくことしきり。「人間ドラマよりミステリー」というのは、幕切れの鮮やかさにも通じるところで、殺人事件を通して、大きく運命を変えられてしまった周囲の人々の感情、後日談に忖度なく、犯人逮捕とともに物語が終わってしまう。一例として挙げられた「ビデオテープの証言」。ラストシーン、原語版と吹替版との違いに隠された秘密と相まって、深く考えさせられた。
- 月村さんの「IRA」、出発点が「策謀の結末」であったというのは、個人的に一番の収穫。
- 客席にはコロンボのエピソード一覧の表が回され、好きな作品を二つまで選んでシールを貼るという趣向。「ワイン」「女(スター)」強し。
- 票が集まらなかった作品を擁護するというテーマで、月村さんが「死者の身代金」と「攻撃命令」について語られた。映画的な視点で見た「攻撃命令」はなるほどと膝を叩く内容。
- 一時間であったけれど、とにかく濃密で、あっという間だった。二時間でも五時間でも聞いていたかったなぁ。
- 終了後はサイン会。月村さんにサインをいただいたのであった。