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山本弘さんの訃報……。
山本弘さんと直接お会いしたのは、一度だけ。2015年の8月「山本弘のSF秘密基地LIVE 東京出張編#3」にゲストとして呼んでいただいた時だった。開場前、モニターで新作「サンダーバード」を見て盛り上がった。私の書いた怪獣小説「BLOOD ARM」を「詐欺だ」と誉めて下さった。もう一人のゲストは開田裕治先生で、自身がゲストである事も忘れ、あれこれ質問し、サインまでいただいた。そんな私を山本さんは苦笑しながら見ておられた。ご著書「トワイライト・テールズ」文庫化の際に解説を指名していただいたのは、うれしかった。怪獣狂いとしての勲章を頂いた気持ちだった。
「MM9」シリーズは衝撃の怪獣小説だった。いまなお、怪獣小説で唯一成功した金字塔だと思う。
私が今も怪獣小説を書いているのは、「MM9」があったからだ。何とか怪獣小説の灯を消したくない。「殲滅特区の静寂」は山本さんにも読んでいただきたかったけれど、送り先も判らず、状況も判らず、かえってご迷惑かと思いあきらめた。「特撮怪獣映画はSFなのか?」「ハリウッドのゴジラは怪獣映画なのか?」おききしたい事がいっぱいあった。
ご冥福をお祈りいたします。
- 2015年、山本弘さんに「BLOOD ARM」を「これは『詐欺』だ」と「誉めて」いただき、それがあまりにうれしくて、こんな事をつぶやいていた。 山本弘さん、ありがとうございました。
「BLOOD ARM」、何千人に小馬鹿にされようと、山本弘さんのような方に響いたのであれば、作者としては大成功。もう満足。書いてよかった。
— 大倉崇裕 (@muho1) 2015年9月5日