怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

長坂秀佳と「愛の刑事魂」

  • 特捜最前線第7話「愛の刑事魂」(脚本・長坂秀佳 監督・村山三男)を見て、あまりの面白さにふらふらとなる。
  • 記念すべき長坂秀佳、特捜第1回脚本である。


 いきなり何者かが銃を発射。それを見ている子供のアップより始まる。その子供は根岸めぐみ5才。その夜から姿を消す。
 捜索願いを受け、根岸家に特捜課員が向う。身代金の要求はない。神代はめぐみ捜索のため彼女の写真を要求。だが、写真は一枚もないという。
 桜井は根岸夫婦の行動に疑問を持つ。子だくさんだからといって、一枚も写真がないのは不自然。さらに、子供が行方不明だというのに、二人は工場で働いている。その桜井と高杉が対立。「もっと大きな目で見てやってくれ」という高杉の真意は?
 めぐみの足取りを追う吉野たちだが、写真がないため、手掛りは掴めない。桜井はヘリを使って、空中写真を撮る。やがて、一件の不審な小屋を発見。その庭でめぐみが持っていたとされる人形を見つける。
 小屋の中には田中はつえ、68才の射殺死体が。床下には一億円の入ったツボ。はつえは高利貸をしており評判は最悪であった。金を借りていた者がはつえを射殺。めぐみはその現場を見ていたのではないか。
 現場付近から発見された車の塗料痕。分析の結果、ブルーバードと判明。目撃情報などから、末尾28のブルーバードが手配される。やがて、車は埼玉で発見。だが、中にめぐみの姿はない。犯人は、いまだめぐみを連れ歩いているのか。それとも……。必死の捜査がつづく。

  • 最初に疑いを向けられる両親。父親役は谷村昌彦。仕事を求め全国を転々とし、子供が行方不明でも働かざるを得ない現実を見せつける。
  • 長坂秀佳は、特命メンバー全員に見せ場を作るべく奮闘している。主役は桜井なのだが、高杉との対立、吉野の犯人追跡、船村の取調べ、神様と同じ扱いの神代……。なぜか津上だけは適当に扱われている。
  • 船村の取調べについては、正直唖然。こんなのありかぁーと踊り出したくなる。
  • 凶悪、粗暴犯として描かれていた男に、神代が見い出す一点の光明。このラストは長坂秀佳でなくては描けまい。