怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

特捜最前線のDVD 止められない止まらない

  • 何となく特捜最前線のDVDを見始めたら、止まらなくなった。「凶弾」は、神代夏子の死が悲しすぎて、今回も見ることができず。
  • 感想を書いてないエピソードもあったので、補完。もしかしたら、勘違いでだぶっているかもしれない。

「特捜最前線」
第32話「殉職・涙と怒りの花一輪」(脚本・井口信吾、監督・野田幸男)
パトロール中、廃工場で窃盗犯を見つけた中川マサト巡査は、追跡中、共犯者に殴打され拳銃を奪われる。彼は殉職した船村の相棒の息子であった。船村は銃を取り戻し、犯人を捕らえるためマサトと共に捜査に参加。まもなく犯人たちのアジトを突き止めるが……。「特捜最前線というのは、拳銃を撃ったりしない、大人のドラマさ」なんていう幻想を吹き飛ばし、拳銃が火を噴きまくる。そう、こういう話だってあるのさ。マサト役には真夏竜。そして、犯人には「刑事を愛した女」に続いて、片桐竜次。キング・オブ・粗暴犯。そんな粗暴犯も今では警察の偉い人。「相棒」を見るたびにしみじみ思う。

第40話「初指令・北北東に急行せよ!」(脚本・須崎勝弥、監督・村山新治)
正月、船村は中華レストランで、二人の子供を連れた夫婦に出会う。彼らの忘れ物を届けようと自宅に赴いた船村は、自宅に残された遺書を発見。工場が倒産、借金で二進も三進もいかなくなった両親が、子供を道連れに無理心中を計画していることを知る。船村の報告で、特命課は四人を捜すため動きだす。船村と家族が別れたのは新宿。手がかりがほとんどない中、特命課は大都会の中で四人を見つけることができるのか。正月ということで、落語のようなファンタジックなハッピーストーリー。心中を図る父親には横光克彦。追い詰められた者の悲哀とか愁嘆場はほとんどなく、きわめて論理的な追跡戦が描かれる。何と言っても、船村がおでこをくっつける伏線は見事としか言いようがなく、これぞまさに、「隠れた」名作と言える。長坂秀佳だけではないことを証明する一本だ。当時の世相も色濃く反映されていて、刑事ドラマの入門編にも最適。

第42話「Gメン・波止場に消ゆ!」(脚本・井口信吾、監督・天野利彦)
関東信越地区麻薬取締官事務所の室長の依頼で、ヘロインの密売が行われている横須賀市に潜入することとなった、桜井と高杉。彼らの任務は、1年半前、その町に潜入中、行方不明となった小林稔侍捜査官、25歳を探すこと。地元警察にも極秘で行われる二人の潜入捜査。やがて、街を牛耳る麻薬組織のボスへと二人は接近していく。果たして二人は小林稔侍、25歳を見つけることができるのか。横須賀……。香港ですか、マカオですか、ニューヨークですか。ヘロイン密売の元締めが街を牛耳っていて、情報屋とかポンポン殺されるし、潜入捜査とかしないと刑事も殺される街。いま、日本でこんな描き方できる場所、ないもんなぁ。夢の街横須賀で繰り広げられる組織暴力対特命課という展開で、正直、どうしてこれがDVDに入っているのかも謎なのだが、今の目で見ると、藤岡弘、西田敏行、小林稔侍が画面に並ぶというだけで、価値はあるのかもしれない。

第52話 羽田発・犯罪専用便329! (脚本・井口信吾 監督・須川栄三)
三年前、外事課であった桜井は、ベトナムから大量のヘロインが日本の米軍基地に運びこまれているという情報を掴み、首謀者を追跡。だが銃撃戦の末、犯人は本国へと逃亡。一方、銃撃戦の最中、流れ弾に当たり一人の少年が足に重傷を負った。ようやく退院が決まり、少年を見舞う桜井。そんな中、外事課はアメリカからヘロインを運ぶため二人のアメリカ人が入国するという情報を得る。外事課の紅林は、特命課と協力し、羽田で二人を待ち受けるが……。混乱のベトナムから、戦死者の遺体にヘロインを詰めて日本に運び売りさばくという手口。日本側の元締めは、日本に送られてきた米兵の死体を処理していた男。米兵は基地に逃げこめば、すべてチャラで本国送還……。フィクションかノンフィクションかはおいておいて、こういうテーマのドラマがエンターテイメントとして作られていたころがうらやましい。この手のネタは初期Gメンの専売特許だったけれど、特命もやるときはやる。今回で桜井異動。紅林加入。