「刑事コロンボ 攻撃命令」
心理学者メイスンの助手、チャールズが、メイスンの自宅でドーベルマンニ匹に噛み殺された。不幸な事故に見えた一連の出来事だが、居間にある電話の一方が鳴らなくなっていたことに、コロンボは疑問を抱く。さらに、犬に襲われた時、チャールズは電話をかけているところだった。その相手は誰か。通話相手が犬に襲われているというのに、なぜ警察に連絡してこないのか。コロンボはメイスンに疑いの目を向ける。
- これもまた、再放送を録画できなかった作品。というより、放映されなかった記憶がある。見たのはコルクT氏のLD。
- 見たい願望が膨れ上がっていたせいか、とても好きな作品。とにかく、犬を凶器に使うアイディアが出色。メイスンは電話をかけるだけで、殺人が行える。電話をかけた際に、心電図の針が大きく動いているというコロンボ流の物証にも、感心した記憶がある。
- もっとも、「バラのつぼみ」があくまで偶然発見されるのは興醒め。あのとき、「市民ケーン」の話をしなかったら、あのとき電話がかかってきてテープが回しっぱなしにならなかったら、事件は迷宮入りだった?
- ラストでビリヤードをしながら証拠を見せていくシーン。いくらなんでもやりすぎだろう。メイスンが来るまで、コロンボはいそいそとセッティングをしていたのか? これがなければ、好きな作品ベスト5に入れたのに。
「刑事コロンボ 秒読みの殺人」
テレビプロデューサー、ケイ・フリーストーンは、支局長マークと愛人関係にあった。マークは栄転を告げ、同時に別れ話を切り出した。しかも、後任の支局長にケイを推すつもりはないとまで。ケイはフィルムチェンジの合間、トリックを使いマークを射殺、アリバイを確保する。捜査に当たるコロンボは、被害者の眼鏡の位置から、射殺犯が顔見知りであったと推理。ケイに目をつける。
- 家族旅行をしているとき、旅館で無理矢理見た記憶がある。
- 強気で共感しにくい犯人像、ドロドロとした愛憎劇の末の殺人、弱いミステリープロットなど、新刑事コロンボへと繋がる、あまりよろしくない流れを感じた。
- 共感しにくいと書いたが、画面上では、「さぁ、共感してください」と言わんばかりの演出がつづく。ラストのエレベーターはまさにその究極。サスペンス的な演出も相まって、もはや痛々しくて見ているのが申し訳ない気分になる。
- 最終シーズンの中では、ちょっと落ちるかなぁ。
- ただし、秒読みサスペンスは最高。この邦題、よくぞつけた。