怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

猿たちと新たな猿たち(この世は猿でできている)

Muho2006-08-27

  • 食玩界の冥王星「イワクラ」から、ついに「猿セット」が送られてきた。これは、東宝映画の名作「巨大猿対ゴジラ」「巨大猿の逆襲」に登場した巨大猿たちを、イワクラ脅威のメカニズムで立体化しようという前代未聞の企画。当初は全10種近い壮大な計画であったが、それらはすべて妄想であったようで、実際に予約受付となったのは、三種だけ。「巨大猿東京を襲撃」と「南海の巨大猿」と「南極の機械猿」である。価格は恥ずかしくてここには書けないが、「巨大猿対ゴジラ」を愛すものとして買わないわけにはいかない。今から一年ほど前、「猿くれ」とイワクラに電話。高額な代金を泣く泣く支払った。その後、ぱったりと音沙汰なし。
  • 半年後、イワクラから小包が。「猿、遅くなってごめんよ。ベースにてまどっててさぁ。とりあえず、フィギュアだけできたから、送ってやるよ。ありがたく思いな」という趣旨の手紙ととに、猿のフィギュアが三つだけ、コロンと入っていた。あのな、このフィギュアはベースがきちんとついてるから、「巨大猿」と判るんだよ。単品だけあったって、ただの猿の人形だよ。チョコエッグだよ。怒りにまかせ、猿人形は便所の戸棚の中へ。
  • それから半年、イワクラから巨大な荷物が。ついに、猿のためのベースが完成したという。「ほれ、ベースだよ。飾れ」という趣旨の手紙とともに、丸の内の街並と島の洞くつと南極が出てきた。ここまでくると虚しくて涙もでない。すごすごと便所の戸棚から猿たちを取りだし、イワクラ様に感謝しながら、飾った。
  • 一息ついて、荷物の底を見てみると、イワクラからのチラシが。「巨大猿 第二弾!! 完全受注生産。植毛、メタル素材使用 限定100コだから早くしやがれ」という趣旨の文言が並ぶ。「巨大猿がお城を壊す」と「巨大猿が恐竜をぶち殺す」と「ナパームベルトをした機械猿が南極の地下でぶっ壊れる」の三種。価格は前回よりも高い。そして、三種同時購入の人、先着50名には、「海の巨大猿」をくれるらしい!! 
  • おのれイワクラ。どこまで人をバカにすれば気がすむのか。猿第二弾だと? 第一弾でどれだけ人をこけにしたか判っているのか。この猿どもめ。泣きながらイワクラに電話して申しこむ。
  • X星人の統制官のような声の人が出て、「ウミノサルガモラエルノハ オカネヲフリコンダモノジュンダ。ゲツヨウビニハウマッテイルダロウ。カクジツニテニイレルタメニハ ハヤメノフリコミガヒツヨウダ」と言われる。
  • これってさあ、振り込め詐欺じゃないだろうな。
  • 「お手伝いさん」(?)に来てもらう。介護保険の申請が間に合ってないので、実費。高額だが、入院費に比べれば、四分の一。昼間数時間はその人に任せ、夜は私が泊まることに。これだけの手配をしても不満のようで、電話をかけ、京都にいる偉い叔父に今後のことを相談していた。こちらへの思いやりなど皆無のバカ親である。さっさと見捨てたいが、見捨てたところで他に身よりはなし、結局、こちらに戻ってくる。見捨てた分風当たりが強くなって損なわけで、だったら、ふつうに世話するしかない。世の中の介護なんて、ほとんどがこんなもんじゃないのか。

  • いずれこの件で本が一冊かけるだろう。「親なんてさっさと死ね」というタイトルで出したら、猫を谷に放り込んだ人みたいに宣伝されるだろうか。