怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

立川志の輔氏と玄侑宗久氏

Muho2007-04-26

  • 星雲社から発売中の「21世紀のあくび指南 志の輔・宗久 おもしろ落語対談」。M田氏より紹介され、読んでみた。なるほど、これは名著。志の輔、宗久のお二人が、あくび指南、茶の湯、寿限無、蒟蒻問答などについて語り合う。「風流」など知っている日本語の意外な真実とか、寿限無は「音」を先に考えているとか、その一方で、あくび指南は「あくび」だから面白いとか、寿限無からは「丸暗記の心地よさ」が味わえるとか、はっとする分析が行われたり、「ピタゴラスイッチ」の玉が転がる機械を見て膝を叩くに似た気分が味わえる。
  • その本の出版記念「卯月の風流 落語と禅と音楽と」を観賞するため、四谷紀尾井ホールへ。貴重なチケットもまた、M田氏がとってくださった。感謝です。
  • まずは大物(?)ゲストによる「あくび指南」。ええ、この人、こんなに落語上手かったっけ? と失礼ながらそんな感心の仕方をしてしまった。つまりはすごくいい高座だった。習いに行く方の大仰などもりが気になったけれど。
  • 志の輔氏、宗久氏の対談を経て、宗久氏の講話へ。テーマは「うかつあやまり」。足を踏んだ方が謝るのは当然として、江戸では踏まれた方も謝った。「足を踏まれるとは私もうかつでした」という意味もあったとか。現代では足を踏まれた方は「不機嫌」で応じる。この「不機嫌」の存在感が大きくなって、やがて「不機嫌」だと回りから気を遣ってもらえる、つまり「不機嫌」の方が得だ、という社会認識に発展してしまう。人と人がすれ違うときの動きについてなど、いろいろと興味深いお話だった。ご本人は相当、緊張されていたようで、メガネをかけたりはずしたり、見ていてハラハラした。
  • 音楽。細野晴臣と環太平洋モンゴロイドユニット。音楽については無知な私だが、神が見える音楽であることは理解できた。こういう音楽か゜我が家にも欲しいなと思ったが、やはりライブにはかなわないのだろう。
  • 最後は志の輔師匠の「茶の湯」。テーマの一つが「風流」であるわけだから、もうこれしかないでしょう。志の輔師匠の落語はいうまでもなく現代的で、にもかかわらず古典の色香が崩れない。さだきちは、せいぜい昭和の悪ガキなのだけれど、ご隠居と絡んでも違和感がない。「茶の湯」は青きなこと椋の皮という関門があるので、なかなか難しい落語になっているけれど、テレビ的な演出でクリア。すべてにおいて完璧だった。あと二十分時間があれば、至福の時を満喫できたのに。
  • ひさしぶりのライブ落語だったが、楽しかった。M田さん、ありがとうございました。あ、「帰ってきた怪獣名鑑」まで引き取っていただきまして、重ねて御礼。これで、我が家のザザーンは五つになった。

 

 

阪神

勝った。ヒョロピーだったが、奇跡的な守備で勝っていた。阪神が強いわけでも運がよかったわけでもなく、ヤクルトの運がわるすぎたのだろう。★☆☆☆★★☆★☆▲☆★★☆★☆★☆★★☆☆☆