怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

赤めだか

Muho2008-05-21

  • 小説すばるの今月号で、大森望氏が紹介していた、「赤めだか」(立川談春)を即買い。談志師に弟子入りし、二つ目、前座になっていく著者の随筆集。やはり何と言っても、山場は談秋廃業のくだりで、鬼気迫るというか、気が違うておるというか。つつじにキンチョールでは、不覚には地下鉄車内で爆笑してしまった。「包丁」のエピソードも素晴らしい。ただ、前座、真打ちなんて言葉が出始めて、「どうにかしてやろう」「大ウケだった」「爆笑」とか、その辺になると、個人的には興ざめだった。真打ちになるのに七日間の会をやって、ゲストに小さんをとか、そんな「興行」みたいなことやって何が嬉しいのだろうという思いもある。そんなことしないで、普通に落語を聴いてもらって、真打ちになりゃいいじゃねえかと思う私は、既に頭が古いのだろう。知らないでいた方が幸せだった内幕を知ってしまったような感じ。
  • 談志師は大好きだし、独演会に何度も行ったし、握手もしてもらったし、サイン入りの本は家宝の扱いだ。噺家はすっと出てきて面白い噺をしてすっと下がるのが美しいと思ってしまう。
  • ……といろいろ言ったけど、「赤めだか」は必読。落語好きにはたまらない一冊。
  • 所用などで、一週間ほど更新を休みます。