怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

相棒「下着泥棒と生きていた死体」を再び見る

  • ふと思い立って、「相棒 シーズン1」のDVDを見たくなる。シーズン1でまずは、第4話「下着泥棒と生きていた死体」。シーズン9で、神となって君臨した櫻井武晴の第一回、脚本回。ネタばれになりそうで怖いけれど、ここが、櫻井相棒の出発点。本放送を見たのは2003年。そのときは、こんなことを書いている。


「相棒」
第4話
本屋に強盗が入った夜、その付近で下着泥棒が捕まった。記憶力抜群の犯人は、盗んだ下着と盗んだ部屋を完璧に記憶していた。特命課は、その裏付調査をすることに。ところが、ただ一件だけ、犯人の記憶に間違いがあった。示した下着は自分のものではないと、住人が否定したのだ。しかし、再度の取調べにも、犯人は供述をかえない。さらに、下着を盗んだとき、近くに車か止まっていた。後部座席には男が乗っており目が合ったと証言。杉下右京は裏付のため、目撃者を探すことになるが。些細な出来事が、いつのまにか大事件に迫る端緒となっている。そんなパターンの秀作ミステリー。発端は「下着泥棒の証言違い」からで、もしこのパターンを安楽椅子形式でやったら、すさまじい傑作になったかも。データはたいへん親切に提示されるので、30分くらいで真相には到達できる。

  • 安楽椅子形式だと? 何をバカなことを言ってるんだこいつは。ごめんなさい、私は何も判っていませんでした。恐ろしくよくできた本格ミステリーのドラマが始まった! と喜びすぎて、「本格」の部分しか見ていませんでした。
  • 下着泥棒として始まったものが、警察ものへと転調していく、その流れこそが重要。後年に追求されていく、「組織論」と「正義論」の端緒もここに入っている。この4話で提示されたものは、劇場版第二弾へと繋がり、相棒の屋台骨となっていく。
  • 小野田……、回転寿司……皿は戻さなくなったでしょう?……思いは尽きぬ。