怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

罪と罰、だが償いはどこに?

  • 江戸川乱歩賞作家の中嶋博行氏が2004年に出版した「罪と罰、だが償いはどこに?」を読んで以来、ずっと気にかかっていることでもある。この本はまさに名著。犯罪被害者救済という視点が抜け落ちている日本において、どうすれば、犯罪者に真の意味で犯罪を償わせることができるのか。
  • アマゾンの「内容」欄より「殺人を犯した人間が『人権』によって守られ、『金がない』というだけで被害者への賠償義務を免れる―この理不尽な現実を劇的に変える!“賠償監獄”での『完全賠償』を追求し、真の償いの道を示す究極の書。」

 

 

罪と罰、だが償いはどこに?

罪と罰、だが償いはどこに?

  • 作者:中嶋 博行
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/09/16
  • メディア: 単行本
 
  • こうした実態を知ると、やりきれなくなる。 

<犯罪被害>賠償支払い「逃げ得」32件中4.3%罰則なく

 殺人などの重大犯罪で、加害者が被害者側に対し、損害賠償金を支払わないケースが相次いでいる。弁護士グループが過去約10年間に担当するなどした32事件を調べたところ、18事件で支払いが全くなく、支払われた総額も賠償確定額(9億5436万円)の4.3%(4197万円)にとどまった。加害者の経済力が乏しく、不払いに罰則もないことなどが背景にあり、専門家は「被害者が報われていない現状を踏まえ、支援制度を拡充する必要がある」と指摘している。

 犯罪被害者への賠償金の支払い実態調査はほとんど行われておらず、弁護士有志で作る「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」(事務局・東京)は、加入する弁護士らが2005〜15年に担当した中の32事件について賠償確定額や支払い状況を調べた。

 殺人などで被害者が死亡した13件では、11件で支払いがなく、支払総額も賠償確定額の1.3%だった。一方、性犯罪10件(死亡例を除く)の支払総額は賠償額の30.6%。公判中の被告が、減軽してもらおうと謝罪の意思を示して支払うケースが多いためとみられる。

 被害者救済では、国が1981年に被害給付制度を設け、事件で被害者が死亡すると遺族に最大約3000万円が支払われる。しかし所得などを基準に算定され、被害者が高齢者や子供だと低額になり、平均支給額は約490万円(16年度、警察庁調べ)にとどまる。また重傷者への医療費も1年で打ち切られる。

 事件の被害者やその家族は精神的苦痛などで、事件後に退職や転居に追い込まれる例もある一方、民事裁判で損害賠償を求める負担も大きい。法務省は「逃げ得」を防ごうと、裁判所から開示を求められた金融機関に加害者側の口座状況を伝えるよう義務づける制度の導入を検討している。

 兵庫県明石市は14年、市が重大犯罪の賠償金を立て替える全国初の制度を創設。上限は300万円で、加害者が市の支払い要求に応じない場合は加害者の預貯金などを差し押さえられる。フォーラム事務局長の高橋正人弁護士は「国の給付金額では不十分。本当に困っている人には、医療費の全額負担など継続的な支援が必要だ」と話している。