- 注目の若手落語家、鈴々舎わか馬さんの会「わか馬三席」に行く。前回は腸閉塞で断念したのだ。演し物は「やかん」、「壷算」、「蒟蒻問答」。生意気にも意見を言わせていただくなら、「やかん」の講談調子の部分、「蒟蒻問答」の唄(?)の部分がちょっと弱く感じました。「やかん」の場合は知ったかぶりの先生が勝手にうなっているだけだから、あれでも良いのでしょうが、「蒟蒻問答」の方はベテランである寺男が唄うわけで、妙な歌詞ですが、座を聴き入らせるくらいでないとつらいのではないでしょうか。それと、「壷算」のマクラは少々、長過ぎましたか。
- とはいえ、上記したのはは些細なこと。三席とも多いに楽しませてもらいました。全体としてもきっちりまとまっていて、良い雰囲気の会でした。わか馬さんの芸は凄いと思います。マクラからスッと噺に入っていける、あの間のとり方は本当に素晴らしい。落語は喋りの速度と間の取り方なのだな、とあらためて感じ入った次第。「蒟蒻問答」は細部を忘れていたので、一度、聴き直したかった噺。四人の登場人物が鮮やかでした。
- 助演の天どんさん。いや、私は好きですよ、ああいう人。ただ、マクラのときから「あのーあのー」が多すぎる。先生に言い訳しているつっぱり学生みたいな喋りはいかがなものかと。でも、あのネタはすごい。感じ入りました。新作だからとあなどれません。
- あ、もう一つ。天どんさんの高座の間、数人の客がごくささいなことでも拍手をする。親族か何かかもしれませんが、あの程度で拍手していたら、芸人のためにならんよ。