怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

長坂秀佳と「第174話 高層ビルに出る幽霊!」

  • 「特捜最前線 第174話 高層ビルに出る幽霊! (脚本・長坂秀佳 監督・村山新治)」を見た。恐さに震え、ラストに大爆笑してふらふらとなる。


 特命課の本部がある高層ビル。夏休み期間中ということで、ほとんどのフロアに人がいない。九州で起きた誘拐殺人事件捜査のため、特命課員は出張中。高杉婦警は一人、留守を守ることになる。ある夜、謎の女からの呼び出し電話が。小学校の屋上へ来いという。土砂降りの中、出向いた高杉の前で、白い服の女が自分の胸に刃物を突き立て、墜落。警察に通報した高杉だが、死体は忽然と消え失せる。
 その日から、高杉の回りでは不審なことが。自室の窓からのぞく女の幽霊。特命課本部にまで現われる女の幽霊。取調室に出現する女の幽霊。精神的に追い詰められていく高杉婦警の運命は。

  • 恒例、夏の怪談シリーズ。真面目に反論されても困るのだが、あえて言おう、この話はまぎれもなく、新本格である。
  • 前半の幽霊談は、本気で恐い。まさかここに、と思っている所に幽霊が出るわけだから、とにかく恐い。日常、自分が使用している場所に幽霊が侵入してくることほど、恐いことはない。
  • さて、中半はがらりと趣きが変わる。高杉を散々苦しめた幽霊の正体を論理的に解明していくのだ。ビルにぶら下がる叶刑事。懸垂で二階によじ登る叶刑事。幽霊がいかにして取調室に出入りし得たかを検証する紅林刑事たち。やがて幽霊の正体が判明。
  • 後半、女子寮で女性の刺殺死体が発見される。ここからはコメディになる。高杉対犯人の激闘。高杉のハイキック炸裂。消化器で真っ白け。腹がよじれる。
  • 長坂秀佳という人は「ガンバロン」や「快傑ズバット」なども書いていたのだなあとあらためて思い知らされた。
  • 新本格好きな人は必見必見、また必見。
  • 夕刻、下北沢にてT社長、編集K氏と食事。
  • 駅の近所に模型屋がある。ここの品揃えがあなどれない。店奥に、雑多な感じでガレージキットが積んである。埃を被ってはいるが、けっこうな掘り出し物が眠っている。海洋堂の「ミミズ男」とか怪獣無法地帯の「グドン・ツインテール」とか。その中で、ボークス・30センチライン、茨木彰原型「息子ゴジラ」を発見。ぎゃー。即買う。今度は床板までひっぺがしていろいろ探そう。