怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

直木賞と長坂秀佳と「殺人鬼を見た車椅子の婦警!」

  • 東野圭吾氏著「容疑者Xの献身」が直木賞に決まったとのこと。一ファンとして、これほどうれしいことはありません。おめでとうございます。ばんざーい。
  • 「天使の耳」「変身」「同級生」を読んだころからの大ファン。「天空の蜂」をハードカバーで買った日のことは、今でも覚えている。面白かったなぁ。でも、全然、評価されなかったんだよなぁ。早稲田の学祭に忍び込んで、講演会を聴いてっけなぁ。サイン貰ったんだよ。

  • 「片想い」もわざわざ紀ノ国屋で買って整理券貰って、サイン会の列に並んだなぁ。「秘密」が推理作家協会賞を取ったので、東野圭吾見たさに、慌てて推理作家協会に入ったんだよなぁ。そしたら、すごい挨拶でびっくりしたなぁ。今日の記者会見もすごかったけど。

  • その一方で、落語コラムが面倒なことになってきた。予想通りだけれど。
    それにしても、なぜコーナーの執筆を「ミステリーを書く男」に依頼したのだろう。落語をあまり知らない、それでいて好奇心旺盛な若きライターに託した方がはるかに良い仕事ができたと思うのだが。3回目にしてこれかよ。いつもの手で三日ほど放ったらかしておこう。〆きりは明日だけど。

  • 特捜最前線第221話「殺人鬼を見た車椅子の婦警! (脚本・長坂秀佳 監督・松尾昭典)」を見て、あまりの面白さにふらふらとなる。


ストーリー
都内で頻発する衝動殺人。
ある朝、高杉婦警は、路上で殺人事件を目撃する。息子の眼前で父親が刺殺されたのだ。犯人は逃亡。追いかけた高杉だが、暴走族のバイクと接触、取り逃がしてしまう。責任を感じる高杉。目撃した「コート姿の男」のスケッチを描き、かすかな記憶をたぐっていく。犯人の姿に、高杉は見覚えがあったのだ。いつ、どこで男を見たのか。さらに、住宅街の現場から、犯人はいかにして逃走したのか。
特命課は高杉を轢いた暴走族を特定するが、目撃情報は得られない。捜査が行き詰まる中、またも殺人事件が。被害者は主婦。所持品の中に息子のための参考書があった。
衝動殺人の被害者は、塾帰りの予備校生、メガネをかけた教育ママタイプの母親(超爆笑)、子供連れの父親。そこから導きだされる犯人像とは?
退院したものの車椅子が手放させない高杉。彼女は友人のアパートでしばらく暮らすことに。その瞬間、記憶がよみがえった。コートの姿の男は、アパートの向かいに住む学生。かって友人宅に遊びに来たとき、目撃していたのだ。車椅子の高杉は、部屋の窓から向かいの家の監視を始める。だがそれは、殺人鬼を追い詰めるという危険な行動でもあった。

  • 二年かけてようやく見られた高杉婦警受難もの。予告編の段階からちょっとした仕掛けがされていて、そこは長坂秀佳らしい。ちなみに、キャストが出るエンディングは絶対、先に見ないように。
  • 長坂秀佳術の中に「これは『裏窓』だね(笑)」とある。「でもオレは、パクリっぽい話は、元ネタを超えればOKだと思っている」。超えてる、超えてますよ。ラストでの犯人と高杉の死闘。もう腹がよじれるくらいに笑って……い、いや、感動して、もう『裏窓』なんて見てる場合じゃないと涙ながらに思ったもんなぁ。
  • 『裏窓』であるということは、常に離れた場所から監視しなければならない。そこを映像として逆手にとる。その着想だけでも秀逸かと。
  • 窓際族に教育ママ、暴力息子と家庭崩壊なんてのは、もうとっくにあった話なのだ。
  • ちなみに、高杉の友人役は室井滋。
  • 次回の長坂秀佳は第227話「警視庁を煙にまく男!」。
  • MGドワッジ。

https://classic-imagecluster.img.mixi.jp/p/da5ab9e61212646756e136f05b5022372979399765/5f0528ce/diary/75743120_46.jpg