怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

長坂秀佳と「死体番号044の男!」

  • 特捜最前線第74話「死体番号044の男!」(脚本・長坂秀佳 監督・佐藤肇)を見て、あまりの面白さにふらふらとなる。


 某国より貸与された30億円の秘宝。その展示会がまもなく開催される。警備に当たるのは特命課。
 橘は修学旅行で東京に来た息子に会いに行く。橘はもともと長崎県警の人間。訳あって駐在所勤務となり、その後、特命に引き抜かれた。結果的には妻と息子を捨てることとなり、家族の間に音信はなかった。ひさびさの再会だったが、息子の口からは、父を責める言葉しか出てこない。傷付く橘。
 夜の町で、吉野、津上は橘そっくりの男に遭遇。男は二人の姿を見て逃げ出す。道路に飛び出したところを車に轢かれ死亡してしまう。
 男は大阪の浮浪者松前タツキチと判明。15年前、妻と息子を残し蒸発していた。そんな彼がなぜ東京にいたのか。吉野たちを見て、なぜ逃げ出したのか。そして、橘と生き写しの顔。ひっかかるものを感じた神代は、橘を松前に仕立て、東京の町を歩かせる。
 やがて、若い男女が接触。橘は空家へと連れ込まれる。そこには数人の男と、松前の息子京一郎が。彼は人質として監禁されているのだ。彼らの目的は何か。
 特命課では、橘と接触した男女の身元を洗う。そこに浮かび上がってきたのは、貴金属専門の知能犯合田。彼らの狙いは秘宝展に出品される宝石に違いない。橘に生き写しである松前は、警備の眼を欺くため仲間に引き入れられていたのだ。
 京一郎監禁に憤る橘。つい、東京言葉が口をつく。松前は大阪の人間。合田はかすかな疑いを持つ。
 大阪に飛び、松前の身辺を洗った高杉。松前は下戸であり、ゴキブリが苦手であるという。
 合田も同じ情報を入手。橘に酒をすすめる。飲めば、偽物であることがバレる。特命はその事実を橘に知らせようとするが。
 松前が本物であれば、特命課には橘がいるはず。合田は仲間に電話をかけさせる。当然、橘はいない。神代たちはテープに残った橘の声を継ぎ合わせ、電話に備える。→申し訳ないが、ここ大爆笑。

  • 橘というキャラクターを知り尽くしている長坂秀佳の勝ち。自分が子供に捨てられたことと、父親に捨てられた京一郎の境遇。それらが微妙にオーバーラップすることで、橘と松前、二人の男が一つに重なる。
  • ほぼ完璧な50分である。
  • ああ、面白かった。